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小説挑戦

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ありのままに─第30話─ 

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クリスマスイブ。

本来祝うべきはクリスマスだ。イブではなく。
そして、世間でもクリスマス、クリスマスというが、最も活気がある、つまりは最もお祭り騒ぎのような状態になるのは、
クリスマスイブのような気がする。

イブ明けの朝、もしくは夜は、本来のクリスマスの日だというのにどこと泣く寂しさを覚える。
それは、イブから次の日のクリスマスの間に、クリスマスの代名詞とも言うべきプレゼント交換が終わってしまうからだと思う。

だから、プレゼントを渡し終わった、クリスマス当日は盛り上がりがかけるのだと思う。
もっともこれは日本限定のようで、ニュースをとかを見るには海外ではイブはもちろん当日にも盛り上がっている。

いや、むしろクリスマスの当日こそ盛り上がっているのかもしれない。
国によってはクリスマスの日は休日になる。

それこそ国を上げての休日になる為からだと思う。

その点から見て、日本の行事は外国に比べて多々異端な部分があるが、まぁそんなの一般庶民。
俺たちみたいな平凡な市民には関係ないことだろう。

宗教的にも、日常的にもね。

そんなわけで、今日はクリスマスイブ。
なのはと二人でパーティ……というとなんだか悲しくなるから、
二人で乏しく貧しいながら幸せいっぱいのクリスマスを過ごそうと思ってる。

そんな事を持ってる中、ようやくピンポーンと言うインタホーンの音がする。


「はいはい、今から出ますよ」


インターホンを聞いて、ドアを開けるときの名台詞? を言いながら、ドアを開けると、そこには……


「メリークリスマス、竜也君」


そう言いながら片手にちょっと大き目の袋を持って、笑顔にこの日限定のお決まりの挨拶をする、なのは。
今日はクリスマスとあってか、テンションもやや高いようだ。

その証拠に、額には若干汗をかいている。たぶん、走ってここにきたのだろう。


「ああ、メリークリスマス。早く家に入れよ」

「うん、お邪魔します」

「お邪魔されます」


なのはを家に招き入れて、俺の部屋に行く。
俺の部屋はなんだかんだで、来客が多い─主にあの兄弟やなのはだが─ため、以外にも片付いている。
自分で以外と言う理由は、たぶんなのはたちが来ないなら、散らかっているだろうと思うからだ。


「う~ん、やっぱり竜也君の部屋は落ち着くね。なのはの部屋もいいけど、ここが一番なの」

「いつのまにか、お前の私物も増えてるしな」


なのはよくこの家に来るせいか、なのはの私物が増えていった。
おもにゲームとかだが、まぁそれ自体は俺のやるゲームも増えるから問題ない。

問題なのは、気がつくとおれが家に帰るころにこいつが部屋で遊んでいることだ。
図々しいとかを飛び越えて呆れてしまうよ。

自分の家があるだろうに……


「それでね、今日はクリスマスだよ! 竜也君!!」

「おう、だから?」

「まずは、プレゼント交換だよ?」


クリスマスの代名詞、プレゼント交換。
なのはは早速それをやろうとする。

普通はとっておきで後に残すものだと思うんだけど……

なのはがものすごくやる気なので水をさす気にはなれないね。


「じゃあ、まずはなのはから」


さっきまで片手にもっていた袋から、四角い箱に赤いリボンがつけられている、まさにTHE プレゼントとでも言うべきものが出てきた。


「はい、メリークリスマス」


今日二度目のメリークリスマス。
去年と同じような、もしくはそれ以上の笑顔で渡してきた。

去年ももらったが、やはりこういうものはもらえると嬉しいね。
今年はすずかやアリサからも、もらえないから余計にそう感じる。

母さんは当てにならないし、そう考えるとなのはのプレゼントが希望の光に見えてきたよ……
俺はもう駄目かもしれない、自分の飼ってるペットに希望を見出すとか……
いや、ペットだからこそいいのか? 癒されていいのか?

うーん、これはなんとも微妙なところだ。
まぁどちらにせよ、なのはからプレゼントをもらえたということに関しては本当に喜びだね。


「なのは、あけていいか?」

「うん! どうぞ」


あまりの感動に、中身を確認せざるを得ない。
そう思い、本人の許可をもらって、中身を取り出すと……


「これ、本当にプレゼント……なのか?」

「うん、竜也君にピッタシなの!」


なのはからもらったプレゼント……それは!


「『裸の王様」の絵本……だと?」

「うん、ぜひとも竜也君に読んでもらいたいの」

「それは、あれか! 俺はこの愚かな王様と一緒だといいたいのか!?
それとも、この本を読んで今の自分の醜態を見てみろと!」

「にゃ!? べ、別にそういうわけじゃないの……」


なのはには失望した。
なのはの中の俺ってどれだけ愚かで醜いやつに見えているんだ!?
しかも、また絵本って……まだ引き摺ってるのかよ!

ふん、まぁいいさ。
大体そんなもんだと思ったよ。

去年のプレゼント、箱の中に小石が入っててその中に手書きで「ぱわーすとーん」と書いてあった時点で、期待してなかったさ。

だから、俺はもらえたという事実のみに固執して喜んだのに。
頑張ってうれしがったのに……そうか、そうか。
なのはは俺をよっぽど怒らせたいらしいな。

ならば、見せてやる!俺の雷を!


「さぁこれが俺のプレゼントだ受け取れ!」

「にゃにゃ!? 投げないでよ」


俺もやや大きめの箱をなのはに投げつける。
もちろん、その中にはなのはへのプレゼントが入っている。

去年は忘れていてうかつだったが、今年はしっかり準備したからネタの仕込みは完璧だ。


「じゃあ、あけさせてもらうね?」

「ああ、どうぞ」


ふふふ、見て驚け、嗅いで慄け!
今回用意したものは、まさに、なのはにうってつけの物だぞ。

ぜひとも明日からはそれを‘着けて’俺に会いに来て欲しいものだ。


「にゃ! ね……猫耳と尻尾!? しかもマタタビまで! た、た、た……竜也君!」


顔を真っ赤にして怒り出す、なのは。
しかし、なのはの怒った顔など、大して怖くない。
それどころか和んでしまうので俺には効果がないようだ。

それに、そもそも俺にあのようなプレゼントするほうが悪い。
1年越しの復讐だぞ? これは。


「まぁまぁそう言わずにさ。ほれ、マタタビだぞ」

「そうやって、やってもい……みはな……いん……うにゃ~ん」


頑張って理性で抑えても本能はそうも行かないようだな。
てか、理性も抑え切れてないし。

すでに俺の手に持ってるマタタビに飛びついてるし!


「ほれほれ~」

「にゃーん、にゃにゃ!」


俺がマタタビを上下左右に動かすと必死に取ろうと動き回る、なのは猫。

実に楽しい。
ああ、何て楽しいんだろう!

分からないな、でも、うん。
とにかく、なのは猫で遊ぶのが楽しすぎる。

あ、いいこと思いついた。
今、俺すごいことを思いついちゃったよ!


「なのは、このマタタビが欲しいか?」

「にゃん!」

「じゃあ、その猫耳と尻尾つけてくれればいいぞ」

「にゃーん」


そういうとものすごい勢いで、その必殺アイテムを取りに行き装着する、なのは猫。

そこまで欲しかったのか……
というよりさっきまであったはずの理性が完全にぶっ飛んでいるなと再認識かな。

そんなことを考えているとあっという間に、着けて戻ってきたなのは猫。
そして、その姿……


「…………」

「にゃ?」


制服のようなワンピース型ではないにしろ、そこそこ短いスカートに、白を基調としたした服。
そこには、ワンポイントで赤が混じっているのだが。
そして、そこそこ短いスカートの下から尻尾が生えていて、本来大きめなリボンがついてるはずの所に、猫耳がある。
つまりは、今は完全に髪をおろした状態である。

そんななのは猫を想像してほしい。
そして、本来おもちゃであるはずの尻尾がなぜか、フリフリと動くのだ。

俺は死んでいいかもしれない……
この猫……かわいすぎる。

ああ、かわいい。
これ以上ないほどに、むしろ俺が異常になるほどそれは素晴らしかった。

もちろん条件どおりに、マタタビをあげる。


「にゃ~ん」


マタタビをあげたら、ものすごく喜んだ上に、そのお礼なのか、顔をスリスリ……
ままままままずすぎぎぎぎるうううううううううう。

やばい頭の回線が切れそうだ……。
落ち着け俺、あまり深く考えるな。

そして、なのはをみるな。
そう思いつつもチラッと見てしまう。

そこには、


「にゃ?」


?マークを頭上に出しながら、頭を横に傾ける仕草をするなのは猫。
その、なのは猫かわいすぎた。

俺のボキャブラリーでは、言葉に出来ない。
それほどまでのものだった。

俺の頭がどうにかなりそうだ。

よし、とりあえずだ。とりあえず、写真を撮ろう。

そうしよう、そうするしかない、そうしなきゃ駄目だろ、三段活用!


「なのは」

「にゃぁ?」


パシャパシャパシャと写真を撮る。右手にデジカメを、左手にケータイでだ。もちろん、ケータイは連射である。
これで完璧だ。これで一生俺は生きていける。
ああ、死ななくてすむんだ。そう思ってくるとどことなく感傷的になる。

そんなときだった、なのは猫の動きに変化が起きた。


「にゃはは、にゃにゃ~」


顔を真っ赤にして、ちょっとふらついているように見える。
その様子はまるで酔っているかのようだった。

その、なのは猫の手にはマタタビがあり。くんかくんか、したようだった。

そういえば、読んだことがある。
『猫の気持ち』に、猫はマタタビを嗅ぐと一種の陶酔状態になると。
また、その刺激は猫にとっては快楽に近いものだと。


「いや……まさかな?」

「にゃひゃ~ごろにゃー」


いやいや、ないだろ。
だって、なのはは猫と言っても、元は人間だぞ! 人間がマタタビで酔うなんて聞いたことがない。

でも、もし、本当に酔っているなら……まずいだろ。
何がまずいって、何がまずいか分からないが、とにかくまずいことになりかねない!

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、なのは猫は相変わらずふらふらしてる。
そして、


「ねぇ? 竜也君」


ようやく、猫状態から抜け出したのか、人間の言葉を話す。


「どうした、なのは。それよりも、大丈夫か?」

「にゃ? 何がかな、なのはこんな~にも、元気元気だよ~、にゃにゃー」


そういうとにゃーっと言いながら俺に飛びつき、抱きついて来た。
やはり、末期のようである。

しかし、抱きつかれたことによって、なのはの温かみが伝わる、それと同時に柔らかさも……す、すごく気持ちいのだが、
いやいや、このままでは男として問題だろと思い、なのはを振り払おうとした。


「竜也君はなのはの友達だからね。ずっとずっと、友達で一緒だからね」


なのはは酔ったせいか、俺に抱きつきながら寝ていたため、寝言のようだったが、確かに聞こえた。
ずっと友達で一緒だと。

全くこいつは……本当に寂しがりやだな。


「ふん、俺はお前の飼い主なんだから当然だろ」


俺がそういうと、寝ていて聞いてるはずないのに、少し笑ったような気がした。

本当は「二人で思い切り遊べないじゃないか、戯け!」と言おうとしたけど……
なんかいい雰囲気になっちゃったよ。

柄にもないこといったからかな?


とりあえず、なのはは当分起きそうににないので、高町家に運んでやった。

家においといてもいいのだが、俺一人だと心さびしいだろうからね。
もちろん、なのはは猫耳と尻尾をつけたまんまだけどね。

高町家に運んでいくと、美由希さんが家にいたため後を託すことにした。
この姿のなのはを見た瞬間、すっごい明るい顔になり、家族全員を呼びつけて、大写真会が始まった。

店の方はいいのかと聞くと、どうやら母さん一人で今日は切り盛りできそうなので、任せたとのこと。
まぁ母さんとしては、なのはが家族団欒出来るいい機会だと思って引き受けたんだと思う。
肝心のなのはは寝ているんだけどね。

この分だと、今日の母さんの帰りは遅いだろうなと思って店の方にいって聞くと、
今日は帰れないかもしれないと言っていた。

一人になったのは、なのはではなく俺のほうだったとは……かなりショックである。
あの、なのはに負けたとは。

若干悲しみに押しつぶされそうになりながら家に帰ると……


「あれ? 竜也君、おらへんのかなぁ」


家の玄関に不審者を見つけた。
これって青い制服の人を呼ぶべきですかね?
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