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小説挑戦

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東方SS第一話 

二次創作

 一切合切、関与しない、干渉しない。
 それが私のポリシーだから。

 例えば、目の前で事件が起きたとする。
 知らん、どうにでもなれ、私を巻き込むな。

 これが私の生き様と言えるだろう。

 どうかな?
 清々しいと思わない?
 やたらといろんなモノに首を突っ込んでは、痛い目に会う姉を見ていたら、私がこうなるのもさほど時間が掛からなかったのさ。

 姉は、姉が反面教師だった。
 それだけの話。

 考えてみても欲しいよ。
 
 私が学校から家に帰ってくると、姉が大怪我してるじゃないか。
 それを姉は気にした風もなく、平然と私の為のご飯を作っているんだ。

 私が気にする。

 私が慌てて、その怪我を治そうと姉用の非常に重い救急バックを二階から持ってくる。
 

「お姉ちゃん、怪我、してるから、私が手当てするよ」


 親切心だよ、もちろん。
 感謝の気持ちでもある。

 私たちの親はすでに死んでしまって、それからすでに成人してたこの姉が自分を育ててくれている。
 だから、まあ関わりたくないけど、どうしもなく、例外的にこうやって関わっているのだ。

 だけど、この姉はそんな私の珍しい感謝の気持ちを気づきもしない。


「ううん、大丈夫。ほら、お姉ちゃん元気──げほっ! ……元気!」


 とととと、吐血してる!
 元気じゃないです、それは空元気!

 そんなこんなで今日の夜ご飯はレバ刺し、レバーの焼き鳥、レバニラと、まあなんというか……実に健康に良さそうなお食事。

 こんな姉と生活してたら、姉のように生きたいと思わない。
 姉の仕事は何かは知らないけど、ただ姉曰く正義のお仕事らしい。
 妖怪退治とか言ってた日もあった気がする。

 とんだ戯言だよね。

 科学が進歩するこのご時世、誰がオカルトを信じるって言うの。
 べ、別に幽霊とか怖くなんかないよ?
 お化けだとか怪談話を聞いて、お姉ちゃんに抱きついて寝るなんて無いし。
 無いよ。無いんだからね。

 ……ああもう、この話に関わらないで。
 私に構わないでって感じ。
 
 いいのよ。
 お姉ちゃんの仕事なんて私に関係ないし、関与する気ないし。
 本人も聞かないでって言ってたしね。

 姉と私の二人きりの生活。
 つまらないなんてことはないけれど、別に楽しいとも思わない。
 普通では無いかもしれないけど特別ではないんじゃないかと思うこんな生活。

 私は誰にも関わらず、私にも関わらせず、それが私のポリシーで一生で。
 いつまでもこの生活が続くと思っていた。

 そう、たった一人の姉がいなくなる前の一週間前までは……





◆  ◆  ◆





 人との関係を意識的に遮断しようとしているものの、私は決してその関係が無いわけじゃない。
 友達がいたりもしないこともなかったり。
 いや、やっぱりいなかったかもしれない。
 学校でお喋りした記憶が遠すぎて覚えてない。
 でも無いわけじゃないからあったと考える。

 まあ自分でしでかしてることなんだけどね。
 友達が零じゃないという前提を元に考えても、それでも私が一人で生きられるということはない。
 念の為にいつでも一人暮らしができるように畑耕したり、ちょっとしたサバイバルのコツなら姉から聞いたりして、出来ないこともない。
 かもしれないけど……実践してるわけじゃないからやっぱサバイバルは無理。

 畑を耕すと言ってもできるのは、食べた野菜とか果物の種を土に植えててきとーに育ててるだけだし。
 うん、やっぱり一人は無理だね。

 得意料理はおにぎり。
 ただし、丸である。

 だから姉一人いなくなってしまったら、私が一人で生きれるはずがないのだ。絶対に。
 自信を持って言えるぞ。

 まだ15歳だからお金も稼げないしね。
 受験だって控えてるんだ。

 
「だから、お姉ちゃん、早く帰ってきてよ」


 二日、である。
 二日目で泣き言を言ってしまった。
 我ながら不覚だけど、しょうがないよね。女の子だもん。

 一日目は、ビックリした。
 家に帰っても姉がいないなんてことは未だかつてなく、それは私にとっては異常の始まりだった。
 寂しいなんて思わない。
 こんな日もあるだろうと私はたかをくくり、いつも料理を作る姉がいないため、私が料理を作る。


「ふふん、帰ってきたら驚くだろうなぁ。だって私が料理を作ってるんだもん!」


 一回失敗して塩と片栗粉を間違えたので、二回目はちゃんと姉でも食べれるように塩で作った。
 全く、同じ白いもんなんだから見た目で分かるかっ!
 手間かけさせやがって……

 これらが一日目の出来事。
 二日目はちょっと焦燥感がある。
 なんかこう……これってやばいんじゃね、という感じの。
 そのせいで思わず思ってもいない弱音が出てしまった。

 でも、こんな日常がずっと続いたら……

 私の鋭敏な第六感は残念ながら的中してしまう。
 一週間、結局姉は帰って来なかった。





◆  ◆  ◆





「今頃、お姉ちゃん何をしてるのかな」


 私とは違って脳天気で楽観的で自己犠牲タイプのあの姉は、されど己が道は己で切り開くといった力はある。
 非力で惰弱で脆弱なか弱い乙女で、臆病だからあらゆることに関係を持たないよう関与しないよう干渉しないにしていた私と違って、力はあるのだから生きてはいると思うけど。
 実際、どうなのだろうか。


「そろそろ私も関与しなくちゃいけないのかな」


 正直、判断遅すぎる気がするけど。
 一週間でお米なくなちゃったからおにぎり作れないし。
 お腹がすいてパスタをボリボリ食べちゃったし。
 
 しょうがないなぁ、そろそろ動き始めなくちゃいけないよね。
 

「あーでも、動くっていってもどうすればいいんだろう?」


 姉を探すんだから警察かな。
 お姉ちゃんがいなくなったから探してください、と尋ねるべきなのかな。
 うーん、でも日本の警察は腰が重くて重すぎてしょうがなくてヘルニアで動けないとか言ってたから無駄なのかな。
 ヘルニアって痛そうだよね。
 うし、とりあえず警察行ってみっか。

 私はとりあえず近所の交番に行ってみた。
 この交番で無人の時が多いけど、今日は幸運なことになんとちゃんと警察の人がいた。
 なので、話しかけて事情を説明する。


「うん、お嬢ちゃんのことはよく分かったよ」
「そう? じゃあ、早速お姉ちゃんを」
「でもね、お姉ちゃんだっけ? 本当に居たの?」
「ふえ?」


 本当に居たの?
 何を言ってるんだこの人、居たに決まってるじゃない。
 だって一週間前に私はお姉ちゃんの吐血して床についた血を拭きとったし。
 

「いますよ? ちゃんと調べてくださいよ」
「そう言われてもね……それにお嬢ちゃん『八雲 けい』ちゃんだっけ? 君も本当のお名前教えてくれないかな?」
「え? 意味分からないですし」


 本当の名前ってなんですか?
 真名的な何かですか?
 私に魔法名とかあったらビックリだよ。
 昔にちょっとお遊びで作ったこととかあるけど、それを教えればいいのかな?
 ……なわけないよね。


「だから住所登録に『八雲 けい』なんて子はいないんだよ」
「ええと、つまりそれはこの町じゃない所に住所登録があるとか」
「それは分からないけど、お嬢ちゃんが此処に住んでるというのなら普通ならあるはずだよ。とりあえず、これ以上詳しいことは調べないと分からないから、一度帰ってもらえるかな」
「は、はい。お願いします」


 今日のところは諦めて家に帰ることにする。
 少々ばかり衝撃的なことばかり起きちゃったね。
 うん、さすがにちょっとビックリした。

 でも、これ以上何かが起こることはないよね。
 まさか住所がないなんてことは予想外だったけど、きっと前の住所のまんま……前の住所?
 私は生まれも育ちもここなのに、そんなことってありえるの?
 うーん、考えてもやっぱり分からないから、今日のところは帰って寝よ。

 
「ただいまー、なんて──あれ?」


 家に着いた……はずだよね。
 ここが確か私たちの家だったよね。
 間違ってないよね。
 でも、ここには……


「何も、な……い?」


 あるはずの家がなかった。
 全くの更地だった。
 可笑しい。
 こんなことあるはずないのに。
 絶対にありえないのに……どうしてこんな!

 戸惑いながら何も無い場所へとりあえず一歩踏み出そうとした……が、その時だった。

 突如舌に空間が現れ。
 否、これは現れたのではなく無くなった。

 もちろん、踏み出したはずの足の置き場がなくなったのだから私は……


「あー!! お、落ちるぅぅ!」


 重力に逆らわずに落下していく。
 あまりの衝撃に意識が遠ざかっていく。
 その瞬間までにニュートンのドヤが顔が脳裏をかすめ、そして幻聴が聞こえた。
 

──ごめんね


 私の記憶はここで途絶えた。
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