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小説挑戦


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ありのままに─第6話─

あ、ありのままに起きたことを話すぜ!

昨日は初めて魔力を使ったばっかしで、めちゃくちゃ疲れたから、
トレーニングが終わったら直ぐに睡魔に襲われて、ケータイもチェックせずにそのまま睡魔に身体をゆだねて寝て、
朝起きたら、そこにはアリサがいた!


「今日は、いい天気だね。アリサ」

「そうね、今日は快晴ね」


空には雲がほとんどない。
まさに快晴、夏の青空と言うのにピッタシの風景だ。

そして、まだ初夏ということもあってなのか粘っこい暑さではなく、スカッとした暑さ。
おそらくは、初夏だけと言うだけでなく近くには海があるからというのもあるのだろう。


「アリサ、窓を開けてくれないか」

「分かったわ」


そういうと直ぐに窓を開けてくれた、アリサ。
実に素直である。普段の様子とはまったく別人だ。

窓から外の空気が入ってくる。
さっきまでの篭った空気ではなく新鮮な空気だ。

空気の入れ替えにより、少しの風が発生する。
その風は気温に比べて少し冷たくとても気持ちのいいものだった。

さて、今は一体何時なんだろう。


「今は10時よ。夏休みだからって随分遅い起床ね」

「昨日は色々あって、疲れたんだよ。だから今日は朝の鍛錬も無し」


母さんは、俺が疲れてダウンをするのを見越してあらかじめ、士郎さんに鍛錬を今日は休むことを
伝えていてくれた。


「そう、まるで普段はもっと早起きしてるような言いようね」

「実際早いんだ」


俺の起床時間は午前4時半。
5時過ぎから鍛錬が始まるので、準備の時間を含めるとかなりの早起きになっていまう。
でも、習慣になれば出来ちゃうもんで、
人間の状況対応能力というか、習慣性というのは優れていることをこの身で味わった結果だった。


よし、現実逃避はこんなもんにしてこの状況を分析するとしよう。

現時刻はさっきアリサが言ってたように10時のようだ。
アリサに言われたとおり、まぁ普段からすれば遅い起床だな。

では、現状を確認する方法としてケータイを見てみよう。


「アリサ、そこの机にあるケータイをとってくれないか?」

「いいわよ。ええっと、これね。はい」

「サンキュー」


さて、ケータイを確認、確認と。
ケータイの待ち受け画面を見る。

そこには着信とメールのお知らせがあった。

まずは着信を見てみる。
昨日の家に帰った時刻から、その日が終わるまで、つまりは夜の0時までに、
アリサからの着信が30分おきにあった。

今度はメール。
未確認のメールの数は100を超えていた。
下のほうにはすずかやなのはのメールもあるのだが、ほとんどがアリサに埋め尽くされていた。

そして、この状況を照らし合わせてみる。

起きた瞬間からそこにいるアリサ。

これらのことから結びつく答えは……


「もしもし、警察ですか。ここに、ストーカーが─」

「ちょっと、なに言ってるのよ!ストーカーじゃないわよ!」

「大量のメールと電話をしたうえに、勝手に家にいるおまえのどこがストーカーじゃないんだ!?
嫌がらせか!?これは俺に対する嫌がらせなのか!?」

「べ、別に嫌がらせじゃないわよ!夏休みの件が少し気になったから、あんたに連絡したら、
全く通じなかったから家にきただけでしょ!」

「心配してくれたと言うことか?」

「ち、違うわよ!ただ、気になっただけよ」


むきになってキーキー言っても、
顔を少し赤くしながら言ったら説得力を感じないぞ?

まぁただ単純に口論してて、熱くなっちゃっただけだと思うが。


「心配して来て見れば、これよ。心配したのが馬鹿みたい」

「ん?何か言ったか?」

「な、何も言ってないわよ! 」

「そうか、じゃあメールを確認させてもら─」

「あ!ちょっとケータイ貸しなさい!」

「え?」


そういうと、強引にケータイを奪うと勝手に色々と操作し始めるアリサ。
別に弄くるなとは言わないけど、本人の許可なしにやるのは止めてほしいな~


「これでよし、と。はい、返すわよ」

「え、ああ」


アリサは一体何をしてたんだ……
まぁいいか、とりあえずアリサからのメールを確認

……


「アリサ……」

「何?」

「何で自分の送ったメールを消した?」

「べ、別にいいじゃない。私が送ったんだから。私に消す権利があるわよ」


権利どうこうはいいとして、そんなに必死になって消さなければならない理由でもあったのか?
まぁ今となっては、知る由もないけどさ。


「あら、竜也起きたの?」


母さんが茶菓子などを持ってきて、俺の部屋に入ってきた。
そして、その母さんの顔はこれ異常ないほどににやついていた。


「今さっきね」

「お邪魔してます、おばさん」

「ごめんね、うちの子が寝坊助さんで。はい、これをどうぞ」

「いえ、お構いなく」

「いいのよ。ゆっくりしていってね♪」


そう言うとそそくさと、部屋を後にした母さん。
おそらくは、茶菓子を届けるついでに女の子と二人でいるのを茶化しに来たのだろう。


「気が利く素敵なお母さんね」

「ちょっと無鉄砲なところが有るけど、それでも自慢の母だからね」


実際、俺はこの母が好きだった。
ちょっと回りに迷惑なところとか理不尽なところとかもあるけど、
基本的には俺のことをよく考えてくれるこの母が。

昨日のことも俺の将来を考えた上での判断だったと思う。
まぁ後はその期待に俺が答えられるかどうかだけど。


「そう、本当に羨ましいわ」


どこか遠くを思うような、そんな言葉だった。
アリサの両親が忙しいのは知ってる。

アリサは精神的には大人びていいるけど、やっぱり思うところはあるんだろうな。


「寂しいのか?」

「な、何よ急に!」

「いや、寂しそうだったから」

「そんなことは……ないわよ。
私のために頑張ってくれてるのは知ってるから、私が何か言う権限はないの!」

「そうか、そうか。うん、うん」

「な、何よ。まるで悟ったかのようなその返事は」

「かわいいな、アリサは」

「ちょっと、そういうのは……」


アリサの顔が見る見る赤くなる。
アリサをからかうのはとても楽しいな。

言葉と表情がドンドン変わるもん。


「まぁ寂しかったら、いつでもメールでも電話でもすればいいさ。
家に来たっていいしな」

「ふぇ!?……そうね、そうさせてもらうわよ。
そんなに私に構って貰いたいなら、付き合ってやってもいいわ」

「まぁそういうことにしといてやる」

「ど、どういう意味よ!」


『何言ってるの、あんたがそう言ったんでしょ。』とか、『私は別にそういうつもりじゃ。』なんて何度もいいながら、
顔を赤くしてして必死に抗議をする。
相変わらずテンションの高いお嬢様なことだ。

そして、今更なんだがアリサはなにしに来たんだ?
最初は心配したから来てくれたのかと思ったが、本人曰くそうじゃないらしいし。

本人に聞けばいいか。


「アリサ」

「何よ改まって」

「何しに家に来たの?」

「……今更の質問よね、それ」

「それで、何しに? 」

「だから……心配して……」

「え、何? 小さくて聞こえなかった」

「な、何でもないわよ!理由もなくちゃ来ちゃ駄目なの!?」

「いや、別にいいんだけどさ」


理由が少し気になっただけだから別にいいんだけどさ。
なぜ答えるのをそんなに拒むのかな。

それに、理由無しで来るってどこの彼女だよ、そのセリフ。

にしても、俺とアリサだけってこの環境……


「アリサ」

「何よ?」

「いや、別に……あのう。二人きりですね」

「な……」


そういうと顔が真っ赤に。
今日はよく顔が赤くなるなぁ。リンゴでも食べたのか?
あ、それはりんご病か。

よくよく考えると俺ってあの三人娘とよく絡むけど、二人きりってなかったな。
なのは以外は。

あれは例外だからなぁ。
ご近所付き合い的な意味で、よく会ってるし。
なのはの家にいると何かと話しかけてくるし。

ああ、そうか!
なのはにピンチヒッターを!


「もしもし、なのは」

『あ、竜也くん。昨日電話とメールしたのにどうして出てくれないの?』

「ちょっと、いろいろあってな」

「なのはに電話してるの?」

「ああ、なんか二人だけだと気まずいから」

「ふ~ん、私とだと気まずいけど、なのはがいればいいのね。」


なんで、そんな棘のあるような言い方なんだ?
俺が何をしたって言うんだ……


『え? 誰か一緒にいるの?』

「おう、アリサが俺の部屋に」

『え!? アリサちゃんが竜也くんと二人っきり!? す、すぐにそっちに向かうね。』

そう言うと直ぐに電話を切った、なのは。
どうしてそんなに慌ててたんだ?

まぁ何にしてもこれ以上状況が悪くなることはないだろうな。





─アリサSIDE


まったく!なんなのよ、あいつ。
私が昨日からずっと心配して、メールとか電話とかしてあげたのに出ないだけじゃなくて気付かないなんて。

でも、そのおかげで恥ずかしいメールは見られないで済んだんだけど……

かわいいとか、そんなストレートに……
あの男に羞恥心なんて言葉はないのかしら?

そのせいで私が恥ずかしくなっちゃったじゃない

でも、う…うれしいことを言ってくれるわよね。

もしかして、竜也って私に気がある?
いや、ないわ。
あってもこっちからお断り……

でも、悪くはないかな……いやいや、やっぱり。

それに、私と二人きりで気まずいってどういうこと?
そ、そりゃあ私だってある程度は思うところあるけど、それって失礼じゃないかしら?

しかも、それでなのはを呼ぶって。
私のプライドがズタズタじゃない。

でも、悪くないかも……って悪いわよ。

これじゃあ堂々巡りじゃない!

ああもう!何であんなやつのためにこんなに悩まなくちゃならないの!?
馬鹿みたいじゃない。

まぁいいわ、保留よ、保留。


それにしても、寂しそうね。
ばれないようにしてたはずなんだけど……勘づかれたかしら?

しかも、それに対しての言葉が……
あ、案外いいところもあるじゃないの。


「どうした、アリサ。顔が赤いぞ?」

「う、うるさいわね。ほっときなさい!」


無駄なところで鋭いし優しいわね。
本当に無駄なところで。


「た、竜也くん。はぁ…はぁ…き、来たよ」


な、なんでそんなに息切らしてるのよ。


「はぁ…お、お話しようか。アリサちゃん」

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