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小説挑戦


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ありのままに─第21話─

いつだって充実した日々を送っていれば、時間の流れは早く感じるものだ。

俺にとって、この学校生活というのはとても楽しく過ごしている。
楽しいと言うことと充実しているということは、必ずイコールになることはないとは思うけど、
俺自身が実感しているものとしては、充実していると言える。

ひとえに、そのことに関してはなのはたちが大きく関わっているおかげともいうべきなのかもしれない。

彼女らと一緒にいると飽きることない、楽しさがある。
よく俺に絡んでくると言う意味でもとても接しやすい。

あの4兄弟……が、なんか勝手四天王を語りだしているが、
何の四天王だって聞いてみたら、


「何を言ってるのですか、閣下!」

「我々はいつだって、貴方様と一緒ですよ!」

「ありがたやありがたや」

「僕は止めてるんだけどね」

「今度は俺が……」


間違えた、今は5人兄弟だったね。
でも、それで四天王なんだ……誰が省かれたんだ?

そんなことより、この面子でまともなのが一人しかいないじゃないか!
あ、でも、この5兄弟の一人って時点でまともじゃないか……

こういった感じで、どうやら自称俺の取り巻き、もとい四天王らしいです。
そして、一人は取り巻きって言うか、崇拝してるし。

なんだよ、ありがたやありがたやって、俺は皇帝であって神様じゃないって!
いやいや、皇帝でもないけどね!

たぶん、そういうのやりたい年頃なんだよね!

そうなんだよね!

まさか高学年になってもこの状態が続くなんてないよね?
今の状態でも十分恥ずかしいんだけど。

まぁこの5人のせいで、クラスに悪影響を、少なくとも俺のイメージに悪影響を及ぼしているのは間違い無しだった。
男子が近寄ろうとしない。
こんなことがクラスで起きている。

これだけならまだいいかもしれない。
俺は基本的に面倒なことは嫌だから、それが省略される分には。

ただね。

廊下を歩いてるとね、なぜかみんな俺に道をあけるしね。
知らない人が拝んでるなんてことがよくあるんだよ?

どう思うよ、これ?

酷いときなんて頭を下げてる人もいるからね。

これはあれなのか?
俺は、


「苦しゅうないぞ」


なんていいながら歩くべきなのか?
あ、それじゃあ皇帝というより貴族っぽいな。

どっちでもいいけどさ!

こうなった原因はあの、自称四天王だけど、先生も先生だろ。
去年の運動会のときからなんか、やけに俺を褒めるし。

そりゃあ先生からしたらさ、成績優秀で運動が出来る子って自分で言うのもなんだけど、
そんな子がクラスにいたら、褒めて伸ばしたくなるのは分かるけどさ。

授業前に拝むのは止めようよ。

俺まだ小学校2年生だよ。

あと、この流れで『皇帝ケーキ』とかいうのを売るな翠屋。
便乗しすぎだ。

たぶん母さんと桃子さんの共犯だろうけど、俺が恥ずかしいは。
しかも、最近の売れ行きNO.1ってなんなのさ。

俺は町興しのマスコットなのか?

でも、逆に考えるのなら、そういうマスコットの需要は短いから、安心できるよね。
だっていつ消えてもおかしくないでしょ?

そんなわけで違う意味で刺激に溢れた毎日を過ごしています。


「じゃあ、これで終わりにします。起立、さようなら」

『さようなら』


今日もいつもどおりの授業が終わり、時間はすでに3時ごろ。


「ふわぁ、やっと終わったわね」

「お疲れ様、アリサちゃん」

「今日の体育は頑張ったから眠くなっちゃったわよ」

「にゃはは、結局竜也君に負けちゃったけどね」

「そもそも、女子が勝つほうが無理があるだろ」

「男女差別反対よ! 絶対に次は勝つわ!」


相変わらず勝負事に熱くなるなぁアリサは。
俺からすれば負けるほうが、問題ありなんだよ。

てか、先生もいい加減女子対男子やめようよ。

実は5兄弟の新入りが中々すごいので、最近は余裕なんだよ。


「そうだよね、アリサちゃん。私も次は負けないよ、竜也君!」


すずかも、こと運動になると熱いな……というよりは俺に対してというのが正しいのか?
とことんライバル視だからなぁ。


「はいはい、じゃあ次を楽しみにしてますよ」

「何よ、その適当な対応、癇に障るわね」

「お、落ち着いてよ、アリサちゃん」


からかうとすぐにムキーっとなるアリサはなのはの次にからかいようがあると思うんだ。
すずかは基本的に落ち着いてるから、そういう意味ではからかいようがない。


「竜也君、今、私にへんな評価つけたでしょ?」


こういう思考を読む癖があるから余計に……


「じゃあ、今日はどうする? 私もすずかも習い事ないし」

「なのははいつだってフリーだよ?」

「じゃあ、竜也の家でいいわね」

「大賛成なの!」

「俺の意見は?」

「何か言ったかしら?」

「てか、昨日もきただろ!」


最近こいつらはよく家に来る。

いや、よくよく考えたら最近じゃなくて前からか。
家はたまり場じゃないんだよ。


「いいじゃないの、最近遊び道具増えたんだから」

「竜也君の家でゲームできるようになったもんね」


そう、家にはついにはテレビゲームが出来るようになった。
これは俺が買ったわけでも、母さんが買ってくれたわけでもない。

なんていうの、貢物?
実はあの5兄弟がたびたび家に来ることがある。

それはもう、ハイテンションで接待じみた感じでだ。

5兄弟は家に初めて来たときに、俺の部屋に何もないのを不便に思ってか、
自分の持ってるゲームを家に持ってきたのだ。

それはあげるというものではなく、ここに置いていくということらしいのだったのだが、
はて、今となってはもはや俺の扱いなんだが、それでいいのかな?

まぁそのおかげであの何もなかった部屋にはテレビゲームをはじめとして、
ボードゲームやカードゲームなども置かれるようになった。

ほとんどが5兄弟からの差し入れだけどね。


「なのはも貢献したの」

「お前は家だと制限が付けられるから、都合のいい場所にもってきただけだろ?」

「にゃ!?、違うの! これは竜也君のために」

「言い訳は見苦しいぞ? 気付けば最近よく俺の家に泊まってるなと思ったら、
夜更かししてゲームをやってるじゃないか、俺の部屋で」

「え……ばれてたの?」

「ゲームの光と音で気付くわ!」

「なのは……あんたそんなことを」

「なのはちゃん」


なのはがにゃーにゃー言いながら言い訳するも、すでに手遅れ。
後の祭りであった。

たぶん、いまアリサとすずかの中のなのはの株がとある飛行機会社の如く低下してることだろう。
しかし、売る人いれば、飼う人もいるのだ。

あ、誤字じゃないよ?
猫的な意味で、だよ?


「なのは、俺は気にしてないから、存分にやっていいんだぞ?」

「え、本当に?」

「ああ、俺は猫には寛容だから」


俺の一言でにゃーと言って喜ぶなのは。
うん、やっぱなのはの笑顔は最高だね。
さっきまでの泣き顔も好きだけど。


「なのは、そいつのせいで私たちが失望したことに気付きなさい。
これは罠よ。自分で下げさせた株を自分で買っただけよ」

「アリサちゃん……残念だけど、なのはちゃんに聞こえてないよ」


なのはは未だに俺にベッタリとくっついていた。


「で、どうするのよ?」

「どうするってなにが?」

「今日この後どうするかって話よ!」


二人をからかうことばかり考えてたから忘れてたよ。
今日の今後の予定はっと。

そう思いながらケータイにあるメモ帳やメールを見るためにケータイを取り出す。

そうすると、今日の占いに「駅で素敵な動物とのふれあいが」などという文字が見えた。
ケータイにある今日の占いとは最初からついてたアプリのようなもので、待ちうけ画面に出ているので自然に目がいく。


「ああ、ごめん」

「なんか今日予定あるわけ?」

「うん、占いに素敵な動物とのふれあいが駅であるみたいなんだ」

「「「はぁ?」」」

「だ・か・ら俺は駅にいってくる!」

「え、ちょ、ちょっと待ちなさいよ!私達より動物ゆうせ─」

「じゃ、また明日!」


俺はその言葉を最後に、なのはたちとは悲しい別れを告げる。
うん、実に感動的だ。

去り際にアリサの明日は覚えてなさいよ!と言う言葉が聞こえたが、
そんなこと言われて覚えているはずもなかろうが!



占いに言われたとおりに駅に行ったものの、特にこれと言って出会いはなかった。

やはり、ディフォをついてる占いなど信じるべきではなかったのかな。
ああいうのって大体パターンが決まってて、
一週間ぐらい経つと前にあったのが平然と出てきたりするしね。

でも、『占いは当たるもはっけ、あたらぬもはっけ』だっけ?
そんな言葉があった気がするから、占い自体に罪はない。

ああ、罪はないさ!
だが、せめて罰は当たって欲しいものだと心底思う。
そんなことをケータイの所詮おまけである占いに思ってもしょうがないけどさ!

アリサ達の好意きり素捨ててまで来たのに、取り越し苦労?
意味がやや違う気がするが、無駄足になってしまったじゃないか。

全く、はやく出会いたいがために全力疾走までして、
ちょっといい運動になったかも、と達成感に浸っていた自分が馬鹿みたいだ。

こんな感じに駅の真ん中で絶望した。


「す、すみません」


こんなことをしてると周りから見ればさぞかし変態に見えるだろう。
いや、百歩譲ってちょっと逝っちゃってる少年ぐらいか。

うん?どっちも救い難いような気がするぞ……
恒例の如く気にしたら負けだよね。


「すみません、話を」


なんかこんなこと思ってると自己嫌悪に走りそうだよ。
止めよう、考えるのを止めよう。


「……すみません」


そうだ、思考を停止しよう。
うん、それがいい。

よし何も考えないで無我の境地へいざまい─


「す、すみません!」

「え?」


自分の世界から帰ってくるとそこには、
どうすればいいのか分からずに困惑している、金髪の少女がいた。




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