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小説挑戦


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ありのままに─第26話─

「……座のあなた、今日は街に出ましょう!きっと素敵な出会いが……」


別に、今日の占いが気になるわけではないが、
なんとなく点けたテレビでは偶然、朝の占いをやっていたのでついつい見てしまった。

たぶん、誰にもで経験のあることだと思う。
俺は占いを信じるわけではないが、どうなんだろう。

時々見る占いほど当たるものも無いと思う。

占って欲しいと思って見るよりは、なんとなく見た先でいい結果がでてたと言う方が、
気分もいいものだ。

そんなときは、ちょっと信じてみようかな、何て思う。


「では、朝8時の占いを終わります。続きましては……」


ニュースはまだ続くようだが、とりあえず占いが終わったのでテレビを消す。

俺はついさっき朝の鍛錬を終えたばっかしで、今風呂から上がったところ。
まだ、身体はぽかぽかする。

真夏の暑い時期だから、シャワーは水でもいいかなと思ったが、
恭也さんが


「疲れをとるなら、水じゃなくて温かい方がいいんだ」


と言っていたので、言われたとおりに温水シャワー浴びた。
まぁ普通はあったかいんだけどね。


にしても、今日は町に出たほうがいい、ね。

念のためにケータイの占いも見てみる。
そこには、
「駅で素敵な動物とのふれあいが」
という、いつかの懐かしいフレームがあった。

本当に使いまわしだよな。

まぁデフォでついてる占いに、満足感を求めちゃいけないとは思うけど。

ただ、この場合テレビの占いとケータイの占いの意味するところは同じである。
つまり、これの意味するところは……

フェイトとの再会?

いやいや、まさかそんな絵空模様のような、
たぶん意味違うけど……

まぁそんな運命的な出会いなんてないよな。


「竜也君何してるの?」


なのはがちょこんと顔を出して、俺を見る。

俺がケータイを弄くってるのを見て、気になったのだろう。


「ああ、占いをチェックしてるんだよ」

「占いを? 竜也君ってそういうの信じるの? 前にもそれを理由に行動したことあったでしょ?」

「ああ、まぁ面白そうならね」

「竜也君っていつもそうなの。自分が面白そうなの面白そうなのって、
なのはは竜也君のおもちゃじゃないの!」

「……え?」

「な、なんでそんなに驚いた顔をするの!?」


なのはが俺のおもちゃ……だと?
いやいや、最初からそんなこと思ってないって。
なのはは俺のペットだろ?


「いや、あまりにも予想外のことなのはが言ってくるから」

「にゃ? 何がかな?」

「なのはがおもちゃじゃないと言うところだよ。俺はなのはをおもちゃとは思ったこと無いよ」

「そ、それじゃあ」


ぱあっと急に笑顔になるなのは。
何がそんなに嬉しかったのだろう。

俺はおもちゃとはと言ったのに。


「なのはは俺のペットだろ?」

「うん。……にゃ!? ち、違うの!! お友達なの!」


慌てて否定するが、ときすでに遅し、この言葉をすでに聞いてしまった人が居る。
そう、高町家の長女である、


「え、なのはって竜也君のペットだったの? 前からそうじゃないかと思ってたけど」

「にゃにゃ!? 前からってどういうことなの! お姉ちゃん!」

「あ、竜也君の猫が私を襲おうとしてるよー、止めて竜也君」


美由希さんが実にわざとらしく、俺に助けを呼ぶ。
あきらかに小芝居なのだが、なのははそうは思わないらしくよりいっそう抵抗をする。

俺はそのなのはを止める為に言う。


「まて」

「にゃい」


もはやお手のだ。
なのはの餌付けは完璧だからね!

まさになのはは俺の忠実な猫となった。
だいぶ前からだけど。


「ほ、本当にすごいね、竜也君」


美由希さんが若干呆れている。
誰に呆れてるのかは分からないが……

言うことを聞かせられるようにした俺なのか、
それとも聞いてしまう、自分の妹になのか。

まぁどっちにしろ、俺のせいには変わりないだろうね。

自覚がある分性質が悪いんだろうな。


「にゃ!? ま、また竜也君にやられたの……」

「なんかもう反射的にできるようになってるんだな」

「た、竜也君のせいなの!!」


俺のせいだってよ、笑っちまうぜ。
前なんて、なのはに命令してくれなきゃ嫌なんて言って……ないか。

さすがにそれはないか、ははは。

俺もなんか毒されてるな。

たぶん、この間やったあのゲームのせいだろう。
確かジャンルは……うん、18禁だったのは覚えるよ?


「まぁ落ち着けって、なのは。な? お手」

「にゃい」

「なのは……手だしちゃってるよ?」

「にゃ!? ま、またなの……」


美由希さんの一言ですぐに我を取り戻しはしたが、
すこし、落ち込んでる様子のなのは。

まぁもう諦めるんだな。


「今日は、何か用事あるの? 竜也君」

「ん? 用事……ね」


今日の用事……何もないです、はい。
でも、そうだな。

あえて言うなら、占いの内容が気になるな。


「あのね、今日何もないなら一緒にあ─」

「ああ、すまんなのは。今日は用事があるんだ!」

「にゃ!? ちょ、ちょっとまって、竜也君!」

「じゃあな、なのは! アディオス!」

「……竜也君は意地悪なの」


最後は俺の悪口が聞こえた気がするが……
しょうがないな、今度この埋め合わせをしてやるとしよう。


占いの言うとおりに、駅にやってきたが、
俺はここで大きなミスを犯したことに気がついた。

それは、前のときにでも言えるのだが、


「駅で動物に会えるわけなくね?」


駅は普通パッとの持ち込み不可であることに。
よく考えれば、分かることだ。

そして、俺は再び絶望した。

そう、駅の中心で!


「あ、相変わらず、だね。竜也」


そこには、金髪の少女が……って!
これ前にもやったから中略。


「お、フェイトか。また会ったな」

「うん、待ってたよ」

「待ってた?」

「会える、気がしたから」


会える気がしたって、どんな運命ですか?
英語で言うならデスティニー!

あれなのか、あの素敵な云々がでるとフェイトに会うフラグなのか!?

占いってすげーな、おい!


「それで、今日は何の用事?」

「うん、あのね。今日も買い物、なんだけど。一緒に散歩でも、どうかなって」

「散歩?」

「竜也の、住んでる町紹介して欲しいな、って思って。迷惑、だった?」

「いや、別に暇だからいいよ。そう、良かった」


すごいホッとした表情を見せるフェイト。
よっぽど不安だったのかな。

フェイトの様子はいつもどこか儚げのような気がするし。


「じゃあ、とりあえず、海鳴市を散歩でもするか」

「うん!お願い、ね」


俺は先頭に立ち、海鳴市内を歩く。
フェイトは俺の後ろから、無言でテクテクと歩く。俺の服を少し握りながら。

俺が右端であるけば、右端に。
俺がパッとフェイトの方向に振り向けば、フェイトは、どうしたの? と言いたげな顔をする。

駅を抜け、ビルが立ち並ぶ市街を抜けた、あたりでフェイトが急に話しかけてきた。

「た、竜也は、犬がすきなの?」

「うん? どうしたの急に?」

「え、あ……この間のときに、お手とか言うから……」


どうやら、この間のことを気にしているようだった。
そういえば、フェイトは犬なんだよな。


「犬も好きだけど、猫も好きだよ。あと子狸」

「子狸って?」

「ええっと……説明しにくいから、無しで」


俺とはやての関係を説明しろと言うのは無理難題だ。
自分でもよく分からないからな。

はやて風に言うなら、命の恩人なんだろうけど。


「私にもね、アルフっていう犬を飼ってるんだけど……今度、見せてあげるね」

「そうか、よろしくな」

「うん!」


本当に嬉しそうに返事を言うフェイト。

それにしても、犬を飼ってるのか……

どうりで、俺と言ったら、わんというわけだ。
いや、たぶんそれが普通なんだろうけど。

猫にお手させてるからちょっとぶれてるんだよね、自分の中で。

でも、この間のフェイトもかわいかったな。

ん? これってフェイトも餌付けできるんじゃないか?

いやいや、待てよ、俺。
慌てるな、早計過ぎるぞ。

まだフェイトに会ったのは2回目だ。
やりすぎると逆にひかれてしまう。ここはもうちょい懐いてからだな。


「前に、私にお手って、言ったよね」

「あの時は急に悪かったね、ちょっと思いついたからさ」

「ううん、いいよ。竜也なら、嫌……じゃない」


俺ならお手をしても嫌じゃない……だと?
それは暗にお手をさせてください、と言ってるのか?

いや、それこそ暴走しすぎだ。
待て待つんだ!


「そうか……嫌じゃない、ね。じゃあ。またお手をさせてもいいの?」

「え……うん、竜也なら」


や、やばいです。
最後の「竜也なら」と言ったときに顔をすごく赤くしながら恥ずかしそうに言うフェイトがかわいいです。
ちょっと手をもじもじしながらだし。

これは……なのは猫に負けず劣らずの新しいペットの発見かもしれない。

もしかしら、近いうちに知り合いだけの動物園が開くのも夢じゃないかもしれないな。

猫・犬・猫・子狸・猫で。

あれ、ほとんど猫だぞ? まぁ気にしない方向で行こう。

名物はなのは猫の猫じゃらしショーになりそうだ。


「まぁいいや。とりあえずどこか生きたい場所はある?」

「ううん、全部竜也に任せるよ」

「そうか……」


たぶん、男にとって全部任せるよと言う発言は一番難しい問題だと思う。
ここいきたい、あれやりたい、なら好きにさせられるのだが、
任せきりだとね。なんか試されているような感じがする。

と言っても任せられたからには、なんとかエスケープだっけ?
違うな、エス……コートかな? しなくてはならない。

お勧めの場所とかでもいいのだろうか?

今もかなり歩いたから、そろそろ休憩したいんだけど……
本来なら翠屋がいいんだろうな。

お茶とか飲めるし。

でも……行っちゃいけないような気がする。

何が駄目かって、なのはを無視して遊んでるからな。
これがばれた日には……引っ掻かれるな、猫的に。

それにお金もない。

そうなると、お金を使わずに休憩できる場所になるな。
公園、かな?


「フェイト」

「なに?」

「海とか好きか?」

「嫌い、じゃないよ」


せっかく海鳴市に来たんだからね、海と言えばあそこしかない。
あそこなら休憩も出来るし、涼みにもなるだろうしね。


「OK,分かった。なら、ついておいで」

「うん」


そういうと俺の後を再びついてくる、フェイト。
それはもう、サッカー強豪国のマンマークと言ってもいいほど、ピッタシとついてくる。

周りから見たら、主人の後を追う、犬にしか見えないではないだろうかと思う。

そんな事を思いながら歩いていると思いのほかすぐについた。
思ったより俺の近所に来ていたみたいだ。


「すごい、綺麗だね」


俺的、海鳴市の名所、海鳴臨海公園である。
俺も実は夕日を見にちょくちょく来ていたのだが、人と来たのは初めてかもしれないな。


「どうだ? 本当は夕方の方が綺麗なんだけど」


ザプーンと波の音がする。
そして、僅かに吹く、潮風が夏の暑さを和らいでくれる。

海自体も綺麗であり、見ていてとても落ち着く場所でもある。


「ううん、これで十分だよ。ありがとう、竜也」


たぶん、今まで一番の笑顔を見せてくれたフェイト。


「今日は楽しかったよ、ありがとうね」

「あ……ああ、楽しかったなら俺も嬉しいよ。買い物もあるんだろう? 手伝おうか?」

「ううん、今日はここまででいいよ。じゃあ、またね」

「また、な」


そう返すと、フェイトは満足したのか、一人で歩いて行った。

今日フェイトに会ったのは、全くの偶然だけど、
また会うことは普通なら難しいけど、また会えるような気がする。

でも、その日はずいぶん先のような。
そんな感じがする。
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