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小説挑戦


二次創作

昔書いて投稿した超がつくほど適当なネタ作品を投下

時代は乱世である。

 日本の各地で争いが絶えずに起こっている。

 かつて──なんて言い方をすれば、さも昔のように聞こえるかもしれないが、現実的にはほんの二・三年前から、この争いが起きた。

 平成という名の時代だったが、今となってはそこに平静はなく。ただ争いが起きる時代へと成ってしまった。

 きっかけはなんだっただろうか……。

 そうあれは、日本の中で有名なネットを通じたある種の世界である某巨大掲示板の一言が原因だった。


【イケメン】俺たちは今こそ立ち上がるべき【撲滅】


 その何気ない一言、一つのスレによって全ては始まった。





 五感をつかさどる兵器が開発された。

 その兵器はある一つのテーマを決めることによって、己が力を作り出すことが出来る近未来的兵器だった。

 例を言うならば、『オタク』というテーマを元にその兵器──互換を察知するためのヘルメットを装着する。するとどうなるか、そのヘルメットを被った人物の『オタク度』というのが勝手に測られることになり、その人物の武力がそのオタク度に比例して現れた。

 重度のオタクであればあるほど大きな力を手にすることが出来た。

 この兵器の特徴は、この兵器を使っても相手を殺すことが出来ないという点だった。つまり、兵器とは言うものの新感覚のゲームに近いものである。

 どこから現れ、どこで開発されたのかも謎だったが、科学技術がどんどん進むこの世の中である。多少は疑念に思う者もいたが、大抵の人は面白ければいいやの精神で特にこれといって問題も起きなかった。

 この兵器は多少高額ながらも、やはり五感を使える新感覚という美味に、自分の力が増大するという餌に釣られた者が多い結果空前の大ブームとなり、今となっては世界で保持者率が8割を超えようとしていた。

 しかし、個々が力を持つことに疑念を持ったものがいた。

 所謂国家であり、この兵器の流行に伴い新たな法が作られた。

 一番は兵器の発売を禁止できればよかったものの、ゲームと言われれば確かにと思わざるを得ない上に、すでに廃止し回収するのには遅すぎたため法による制限をかけざるを得なかった。

 その国家の早急の対策によって暴動、ないしは事件が起こることはほとんどなく平静は保たれていた。

 当たり前である。

 いくら兵器を用いて、一般人が力を持ったとしても同じようにお国方も使えるわけだから結果的には同等の力。もしくは、専門的な力で凌ぐ国側が強いため暴動など起こせるはずもない。

 今となってはその兵器──ゲームは、国の名の元に正式に公式大会などを開かれるようになった。

 力なきものは力を得て喜び、国はそのゲームを利用してお金を儲ける事が出来たのだから、もはや国側もこのゲームに文句をつけようもなかった。

 そして……しかし……誰もが予想したどおり暴動──戦争は起きてしまったのである。







「あの日あの時あの学校で、上履きを勝手に取って『なんだ、この靴臭ぇ、まじきめぇ』と大声で言いふらし、登校拒否にさせられた復讐を今してやる!」

「デブで何が悪い! 持久走で一周遅れにするごとにあざ笑いやがってっ! 今度は俺があざ笑う番だ!」


 オタク・ブサメン連合軍の勢いはまさに破竹の勢いだった。今にも敵(イケメン軍団)をボコボコにして、復讐を完成させようとするその意気込み、熱意が凄まじかった。

 そして、その数もまた凄まじかった。

 世の中にイケメン多いというけれど、その逆にそれ以上に多いのがオタクとブサメンだった。特にオタクは、この不景気の中でも国の経済面を支えていることからも分かり相当数の数だった。

 そして何より、その嫉妬心に執着心、粘着性はかなりものだった。

 オタクとはその世界にどっぷりとは舞った者たちの成れの果てである。

 よって、テーマをオタクと設定すればある一定以上の能力はすでに決まったも同然であるため、その力は精鋭と化していた。

 しかし、逆にブサメンは悲しいものだった。

 数は多い、確かにかなりの数があるだろう。だが、個々の能力は圧倒的にオタク連合に及ばない。

 なぜか? 当然だ。

 テーマをブサイクとすれば、ある程度の力は付いてくるだろうがそれでは自らブサイクと言っているようなものだ。

 そのブサイクながらのプライド……人としてのプライドが邪魔をしてそのテーマにすることが出来なかったものが大半であった。

 中にはイケメンで設定するほどだった。

 それでも、その心意気はオタクに負けず劣らずのイケメンへの復讐心に燃え、勢いはあった。


「はっ、俺にたて付くなんて馬鹿だなおまえら。キモオタは家に引きこもってーの!」

「自分がブサイクだからって、イケメンの俺に嫉妬してんだよなー」


 対するイケメン軍団は自信過剰というのもあってか、謎の士気の高さを誇っていた。この士気の高さはプライドの高さを目にしているようだった。

 イケメン軍団は個々の力はバラバラである。かなり高いものもいれば、なんでこんなやつがというのもいる。

 その上、チームワークもあったもんではなく、そういう意味でもバラバラだった。

 その戦力差、個々の力の差もあって今軍団は窮地に立たされていた。

 何だかんだいってオタクの仲間意識というのは強かったらしく、チームワークはあるわ、個々の地からはあるわで、さらにイケメン軍団を追い込んでいった。


(このまま、攻め続ければ本当にイケメンを撲滅することが出来るかもしれない)


 オタク・ブサメン連合はそう思い、目先にある勝利が見え始めていた。

 イケメンを撲滅し、三次元の可愛い女の子が彼女になるかもしれないという妄想まで見始めていた。

 
──しかし、そこに一石が投じられる。

 その石を投げたのは、イケメン軍団の中の優秀な頭を持つ奴らであった。

 オタクという生物を分析をし、オタクの行動を読んだ上での一石だった。そして、その一石は小さな位置にもかかわらず、大きな波紋を呼ぶことになった。

 一石──某巨大掲示板で発せられた一つのレス。


『イケメン撲滅って言うけど、ついでにリア充も撲滅すれば?』


 このスレを見て反応しない輩はいなかった。

 リア充とは、本来の意味はリアルが充実している事を示している。それは、どんな形であれ現実を楽しく生き、まさに活き活きとしている様とも言えるだろう。だが、最近では彼女持ちがリア充というような傾向が強まってきている。

 つまり、リア充撲滅ということは彼女を持っている男を撲滅するという事だった。

 もちろんの事、これに食い付いたのは彼女を持っていない非リア充共である。このレスの意味を十二分に理解した上で、彼らは言った『是』であると。

 まるで満場一致かのように、どんどん事は進み『イケメン撲滅委員会』であるオタク・ブサメン連合は、志に、リア充の撲滅を足したのである。 

 新たな志が追加され、さらに士気が高まる中この志に畏怖する者が連合の中に生まれ始めた。

 そう、例えオタクといえども、ブサメンといえども中にはリア充な奴らはいるのだ。

 これにてイケメン軍団の策が成功した。まさに『離間の計』ともいえるものだった。

 オタク・ブサメン連合は内部分裂を起こし始めた。しかし、その連合の中の陣営で大多数を含めるのは非リア充だ。リア充のやつらは、この戦線に参加しているのが少なかったという事実も同時に表しているが、事が事だけにこの場合はよかったと言えるかもしれない。

 同時に、オタクやブサメンにリア中が少ないという現実も突きつけられたのだが……。

 内部分裂だけで済めばよかった。

 まだそれなら収拾のつけようがあるし、その面子が抜けてもイケメン軍団を押し切れる自身はあった。

 事は一点する。

 イケメン軍団に援軍が来たのだ。


「きゃーっ! A君かっこいいーっ!」

「みんなー頑張ってー」


 美女軍団……というわけではなかったが、つまりこれにてイケメン側は仲間を得、軍団から連合へとなった。


『DQN連合』


 オタクたちはそう名付けた。

 その援軍が来たことによって、これまた対立する軍団が生まれた。

 女は女同士の対立。ブス軍団だった。

 あくまでブス軍団と呼んだのは、オタクどもだけだったが。


「私たちが加勢するわよん」

「いや、ブスは黙ってろ」

「連合を組んで一緒に戦うわよん」

「だが断る!」


 ブス軍団に同盟を求められたオタク・ブサメン連合だったが、その申し出をものの見事に一刀両断し拒否。理由は……察してやれ。

 こうなると戦線は複雑化してくる。今までは、イケメンを忌み嫌うもの対イケメンという単純公式だったはずが、イケメンに対抗するだけでも、リア充組と非リア充組にブス軍団。しかしリア充組と非リア充組はブス軍団を敵視すると同時に、リア充と非リア充も対立。

 リア充組は友好関係を築きたいのに片思いどまり。大敵には、擁護する軍団が現れといった風に複雑に絡まっていった。

 こうなると静観していた者までもが、独自に旗揚げし始めた。


『人生はクソゲ連合とは俺たちのことだー! はやく虹に行きてぇ!』

『俺は君を守るために戦うっ!』

『俺の右手が疼くっ!』

『この目に見えないものなどないっ!』

『俺が……』

『俺たちが……』

『『ガンダムだっ!』


 もはやカオスな状況だった。

 そんな中でも、一つの組織だけは目的を見失わずにこの状況を何とか打開しようと動いていた。

 オタク連合だった。

 内部分裂や敵に援軍、次々に現れる敵などと厳しい状況であったが決して折れずに策を練っていた。

 そして、出た策は『真の勇者』をこの陣営に呼び込むことである。

 真の勇者。兵器の性質のテーマによって左右される武力が極限まで高いであろう人物をこの戦いに巻き込むことだった。そう、巻き込むのである。

 これほどまでの混戦の状況なのに、今だ部屋に引きこもり自身の世界を築き上げ静観しているであろう真の勇者だ。

 見つけるのは容易かった。

 しかし、彼ら勇者の性質を人一倍知っているオタク連合の面々は引き入れるのが困難である事を理解していた。だが、苦労を惜しんでいる場合ではなかったのだ。

 イケメンを撲滅するにはもはや彼らの力が必要であり、そのためには如何様な苦労もする覚悟を決めたのだった。

 だったのだが……すんなりと彼ら勇者は戦場に現れた。


「勇者だなんて言われたら、立ち上がざるを得ないだろ。常識的に考えて」


 彼らはどこまでも勇者だった。





 日本は乱世だった。

 勇者たちの活躍により、オタク・ブサメン連合はかつての力を取り戻し一気にイケメン連合を追い詰めた。そして、その勢い止まらぬままついには最後のイケメン一人となった。


「何か言い残すことがあるか?」

「ふっ、もう何もないさ。ただ──」

「ただ?」

「この俺を倒しても、第二第三のイケメンが──」

「おまえ、絶対こっち側の人間だろ?」


 こうして、最後のイケメンもまたオタク・ブサメン連合の手のものによって墜ちたのであった。

 しかし、彼らの戦いはこれで終わりではない。

 まだまだ敵は数多くあり、これまで以上の戦いが繰り広げられるだろう。

 彼らの志は新たにこの乱世を制することとなり、また戦いに励むのであった……。
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~ Comment ~


Arcadiaでは楽しませてもらってました。
これも投稿されてた当時も読みましたが、やっぱり面白いですね。
結局イケメンでもオタクはいるんですよね、いやほんと羨ましいと言うか妬ましい。

>「勇者だなんて言われたら、立ち上がざるを得ないだろ。常識的に考えて」
オタクはおだてられるのに弱いという真理を見た気がしましたw
#32[2011/11/16 12:08]  tomato  URL  [Edit]














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