小説挑戦


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【投稿版】不朽のモウカ

短編集(不朽のモウカ)

・本編とは関係ないと思ってください
・作者の妄想が入り交じってます
・本編の雰囲気を破壊する可能性があります
・ネタです
・ネタなのです
以上のことが含まれるので、それでも良いと思う方だけお読みください。


1.IF外伝『リーズの場合』

 彼女との付き合いは長いものである。もう正確な年数は覚えてはいないが、数百年の時を短いと抜かすような常識はずれはまずいないだろう。間違いなく長い付き合いだ。
 今でもトラウマに近い思い出として残っている彼女との初対面の頃の出来事。彼女に出会った事自体は、彼女の名誉のためにもトラウマであったとは言わないが、周囲の状況が最悪に面倒だった。
 後に名高い奇特な実験。『強制契約実験』がその時の彼女の背景には潜んでいた。
 関わり合いたくない``紅世の徒``ナンバーワンの教授との遭遇こそが俺のトラウマになった要因だ。とはいえ、そんな印象深い(覚えていたくもないが)出来事だっただけに、彼女との出会いは今も色褪せずに覚えている。
 色気もロマンの欠片もない出会いだった。
 俺は彼女を厄介者だと遠ざけようとし、彼女はこの俺に生きる術を教えろと嘆願した。そんなもんは俺が知りたいぐらいだというのに。いや、生きる術じゃなくて、生きる意味だったかな。
 俺はそれに、生きているだけで幸せじゃないかと問うた気がする。
 良い事言ったな俺。
 自画自賛もほどほどに、彼女との出会いは最初は本当に面倒でしかなかった。
 あの頃はまさかこんなにも長い付き合いになるなって、夢にも思っていなかっただろう……
 振り返れば色々なことがあったな……て、あれ。
 そういえば彼女──リーズは俺の名前を呼んだことがあったっけ?


◆  ◆  ◆


 黒髪黒目は欧州では珍しいなんてレベルの話ではない。まず見かけない。少なくとも私はあの人に合うまでは見たこともなかった。彼のような人を黄色人種と呼ばれる人種だと知ったのはごく最近のことだ。それまでは突然変異か何かの特別な人だと思っていた。
 たぶん、私だけではなく、欧州の彼の知り合いはみんなそう思っていたのではないだろうか。それとも、フレイムヘイズだから誰も気にはしていなかったのかもしれない。彼の容姿を必要以上に気にするのは私だけだろうか。最初の頃は変だと思っていたが、今となってはもう慣れたものだが。
 そんな彼は私の隣を歩いている。
 彼と同じような髪色と眼の色をしている人たちが、私に視線を向けているのが嫌でも分かる。私があまりにも美人だからとか、美少女だからって理由じゃないのは、いくら学がなく、世間に疎い私でも分かる。この国では珍しい金色の髪と青い瞳に目が惹かれたのだろう。奇異の目である。
 自分たちとは違う色というだけで、珍しがり私の方を興味半分に見るのだ。
 彼と同じような容貌なのに……非常に不愉快だ。その黒い目で私を見つめていいのは彼だけだ。
 鬱陶しくうざったらしい視線から逃れるために、少しだけ彼の背を盾にして隠れる。『盾』の役割は普段なら私なのだけど、この際は構っていられない。
 彼はそんな私の心情を知ってか知らずか、たぶん知らないのだろうが、気にした風もなく私の前を進む。彼の背中はやはり欧州に比べれば小さく、この国では平均的だ。それでも私は、とても頼り甲斐のある大きな背中だと思っている。どことなく父に被る。
 欧州では浮いていた彼も、ここでは見事に溶け込んでいる。私が連れ添って無ければの話だが。
 彼の出身地のことは実は知らない。彼が昔話をあまりしたがらないせいでもあるのだが、訪ねても貧しい村の出身だったことしか開かしてくれないのだ。
 なんとなく不満。こんなにも長い間一緒だったんだから、それぐらい教えてくれてもいいのに。
 それにしても、

「見事に馴染んでるわね……」
「ん、どうした、リーズ?」
「あなたがあまりにもこの場所に馴染んでるから驚いたの」

 場所は日本の東京。モウカが設立者となった外界宿の東京本部がある、あの日本だ。ここはその目下で、原宿というらしい。若い子がよく来る場所だとか言っていた。
 日本に来たのは初めてではないとはいえ、来たのは今よりも百年も前の話。しかも、その時はゆっくり観光するほどの余裕もなく、下手をすれば死んでいた可能性のある因縁の場所でもあった。
 そこを迷うこと無く歩く姿は違和感だらけ。まるで知っているかのよう。東京に来てからはそれなりに長いが、ここには始めてきたのだからおかしな話しだった。私の知らない間に来たことがあるのなら、なんらおかしい部分はないが、それはそれで不満だ。誘ってくれればよかったのに。

「うん、まあ……そう思うのも無理からぬ話か」
「モウカの場合は特殊だからね」

 彼が契約している``紅世の王``は何かを知っている模様。喧騒に包まれて聞かれる心配がないからって、音にして喋る軽率な``王``だ。
 自分が知らずにあいつだけがあの人のことを知っているのは、なんだか負けた気がして悔しい。
 その何かの秘密が彼をここに馴染ませている理由らしいことは分かった。何かに関して、彼に尋ねてもいいが、こうやって苦笑いしながら誤魔化そうとしてる感じを見ると、話してくれる気はないようだ。諦めずに粘ることも大切だが、潔く引くのも女の使命だと、最近フレイムヘイズの世界に戻ってきた『万条の仕手』が言っていたので従ってみることにする。
 彼は私が深く聞いてこないことに疑問に思ったのか、その事について尋ねてきたので、私は「あなたが話したくなるまで構わない」と言うと、驚いた顔をしてから、流石は俺のパートナーと褒めてくれた。
 今度『万条の仕手』にあったら、ちょっとだけお礼を言おう。
 
「と、そういえば不意に思ったんだけどさ」

 あの人はそう言いながら、背に隠れている私の方へと少し目線を向ける。
 私が見ることを唯一許している黒い目が、私の目を射抜く。

「なんで、リーズは俺のことを『あなた』って呼ぶんだ」
「あ、それ私も気になってたかも」

 言われてみれば不思議だ。
 どうして私はあの人のことを心の中でも名前で呼ばないのだろう。いつもあの人だとか、彼だとか。言葉にすれば、あなただ。名前で読んだことは無い……あるかもしれないが、覚えていないほど昔か、数少ない。
 特別な意味はないと思う。
 だから、気軽に読んでみようと思うのだが、

「…………」
「ん、無言で俺を見てなんだ?」

 言葉にならなかった。
 何でだろう。名前を知らないはずもなく、そこの喧しい``王``がしょっちゅう彼の名前を読んでいるのだから、私も出来ないはずがないのに、現実には口にできていない。
 慣れないから?
 なら、イメージトレーニングをしてみるか。
 心の中だけで、彼の名前を読んでみる。
 も、も、も……モウカ、さん。
 で、出来た。
 心の中なのにすごく小さな音で、自信がなさそうで、しぼんだような声だったけど、呼ぶことが出来た。
 だのに──あれ、すごく熱い。
 顔が熱いというか、身体から水分が蒸発しているというか、むずむずするような、意味の分からない感覚だ。
 それがどうやら表情にも出ていたようで、もう──彼は、私にどうした? と心配そうに聞いてきた。訳も分からないけど、とりあえず大丈夫って答える。それでも納得してなさそうだったけど、そっかと言って再び歩き出す。
 ぬぬぬ、自分のことながらよく分からない。
 すると自分の内に秘める、私が契約した``王``が音にならない声で、

(うーむ、それは『こ──)

 とりあえず神器を握って黙らせた。

「意味なんて無い」
「ん?」
「なんとなく、あなたをそう呼んでいるだけ」
「そうなのか?」
「そう」

 たぶんは口に出さなかった。
 私があなたの名前を呼ぶようになるのはいつになるのだろうか。当面の目標として、心の中だけでも呼べるように練習しよう。

──も、モウカさん……ッ!


「ところで、ここには何しにきたの?」
「ああ、それはな。リーズの服を買いに来たんだよ」
「え、どういうこと?」
「うーん、なんというか、いつも代わり映えしない適当な服じゃなくて、もっと女の子らしくしてあげようかと……」
「あなたにしては随分気の利いた話だけど、それ誰の入れ知恵?」
「やっぱりバレちゃうか。フリーダーんとこの``王``に、『女の子なんだからちゃんと気飾ってあげなくちゃ!』って言われてな」
「そっか」
「あー、不満か?」
「数百年も生きたフレイムヘイズに女の子も何も無いと思うけど……」
「思うけど?」
「うん、それでも嬉しいわ。ありがと。モウカさん」

 
※  ※  ※



2.IF外伝『ウェルの場合』

 残念ながら彼女? の存在は俺の半身に等しい。彼女無くては俺は死んでいただろうし、彼女無くてはこれから先に生きることも出来ない。本当に悔しいながらも、俺は彼女の存在に依存していると言っても過言ではないのだ。認めるのも癪だが、彼女の存在は俺にとって必要不可欠なのだ。
 

◆  ◆  ◆


 川のように長い髪は、色合い的には海を連想させる。青空の色を反射させ、空よりも美しい蒼い髪だ。その長い髪を靡かせて後ろに華麗にターンを決める。いたずらが好きそうな小悪魔的な表情を浮かべているも、その一つ一つの端正な顔の作りは悪魔ではなく天使のようだ。
 
「モウカ、早く!」

 声はやや甲高く、人魚姫が生きていればこんな声なんだろうと思わせるほど心地よいものだった。
 彼女は手招きして誘う。
 彼女に呼ばれた男──モウカは、ため息をつきつつも、彼女に誘われるがままに玄関の方へと歩き出す。すでにヒールへと履き替え、外向きの服へと着替えている彼女に対して、モウカはスリッパ、さらにはジャージととてもじゃないが外へと出る気のない服装をしていた。

「早くって何、ウェル。俺は今日は大人しく、家に居るつもりなんだけど?」

 不機嫌なのが言葉の節々から伺えた。
 モウカの顔も、楽しくてしょうがないといった感じのウェルとは違い、不服そうだ。やや膨れっ面でもある。
 モウカの心情など知ったこっちゃない、もしくは知っているのにも関わらず、ウェルは変わらず楽しそうに笑い、モウカの手を引き、強引に外へと連れて行こうとする。
 モウカは当然ながら抵抗し、一生懸命に家の中に留まろうとする。

「早く! 早く! 外に行こうよ!」
「いーやーだ! おまえが俺の家に来てからいいことが全くないんだ! 学校に行けば、新しく来た美人留学生を誑かす男扱い。それで下手な嫉妬を向けられて、厄介事の匂いがプンプン。いつもの三倍増しとか、考えられない。おまえと一緒にいると俺が不幸になるんだ」

 目立たないポジションのはずのモウカ。
 容姿は特にこれといって特徴があるわけでもなく、特技もこれといってない。一般生徒Aのはずなのだが、気付けば何時だって騒動の真ん中に立ってきた。モウカが問題を起こしてるわけでは決してないのだ。
 恋の相談を隣の生徒に何故か振られたので、真剣に答えたら、知らぬ間に三角関係の泥沼状態で、そうなった原因が自分であると男に恨まれ、女子に恨まれたりだとか。
 面倒事に巻き込まれる性質がどうやらあるらしかった。
 それを一発で見抜いたと思われるのが、先週留学生としてやってきたウェパル。
 一見してみれば彼女はかなりの美人だ。高校二年生にして、大人っぽさを持ち合わせ、時折見せる笑顔は子供のように可愛い。
 今まであまり外国人に興味がなかったモウカでさえ、ありかもと思うほどの逸材だった。そんな彼女が、自分に対して積極的に絡んできたら? 男子たるもの全力でお相手しなければと思うのが当然の性だ。
 というのが、転校初日の話。
 今となっては、近寄りがたい高嶺の花であってほしかったと思う日々だ。

「えー、私は楽しいよ? モウカと一緒にいると」
「俺が嫌なの! ウェルは厄介事に積極的に絡んでいこうとするじゃないか!」

 不審者の徘徊があると学校に忠告を受けたら、その日の内に探しに行こうとするし、一人で行こうとするならまだしも、それに付き合わされるのは勘弁である。なおさら悪いのは、モウカの特性なのか、ウェルの損な性格が祟ったのか、不審者に遭遇してしまうところだろう。ナイフを持ったそいつはやっぱり厄介事で間違いなかったのだ。

「モウカが悪いんだよ? そんな風に嫌がる姿がとっても可愛いから、つい」
「もう嫌だ。泣きたい逃げたい……」
「モウカの泣いた姿もそそられるかも!」
「ド変態だよ!?」

 そんなモウカのifのお話。


※  ※  ※


3.ちょっとメタァな一言おまけ話『剣マニアだよ! サブラクさん』

 暗い部屋片隅。その部屋を唯一照らすのは、テレビの光だけだった。
 テレビからは目まぐるしく色々な色が発せられ、次々とシーンが入れ替わっている。そんなシーンの一つを見て、サブラクは一言呟く。

「ありえない」

 金ピカの王様。
 見るからに趣味の悪い甲冑に包まれた男が、黒グロデカイたこのような生物に、4回の攻撃を仕掛けた場面だ。
 そして、王様はサブラクにとってはありえない行動を取るのだ。
 宝剣を唯一度、タコに攻撃しただけでもういらない、と放棄する。

「全く持って理解できぬ。自身が気に入って財となした剣……それも宝剣を一度使っただけで、穢れたと捨てるなど」

 剣マニア。集める剣は名のある無し関係なしのサブラクには、理解の出来ぬ所業だった──

「あれは拾いに行けるのか?」

 サブラクは日本行きを決定した。
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#59[2012/10/27 16:40]     














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