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小説挑戦


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6月中に公開したい作品

皆さんお久しぶりです。
ブログを更新せぬ間に東京は梅雨入りしました。
雨は嫌ですね。膝に悪いです。

近況はさておき、ここ最近はずっと変わらずにオリジナルにもっぱら作業時間を当てています。
とりあえず、人様に見せられる程度の序章は書けましたので、ここにて少し公開したいと思います。
今月中に5万字程度執筆をして、まとめてなろうに投稿したいなと今のところは思っているのですが、
果てさて、皆さんの嗜好に合うかどうか。
はたまたは、作者が諦めずに書けるかどうか。
それは今のところは分かりません。
今は書いてて楽しいのですけどね。

本文は線分以下の内容になりますね。
多少なりと反応があれば嬉しいのですがw

P.S.
なろうの黒紫色の理想をお書きになられている作者の方が、どうやらこのサイトを見て頂けたようです。
ありがとうございます。
いつまでも作者の作品を待つ性分でありますので、お待ちしてます。
以上超がつくほどの私信




 最後に青い空を見たのは一体いつだったのか。
 ロクシオンは思考が保てるような状態である時には、いつもそれを考えていた。
 澄み渡る青い空。空には二つの陽の光が地を暖かく照らす。同時に感じる風は肌に気持ちよく、ついつい草生い茂る草原で身体を横にして寝てしまっていた、あの頃の平和で大切な日々が遠く昔に感じる。
 実際にどれほどの時が流れたのかは知る由もなく、知る手段もなかった。
 今見えるのは雲と同じ灰色だけれど、雲ではない灰色。人工物。どこかの建物の中。目を閉じて寝て、目を開けて起きれば、この世界がいつの間にか広がっていた。
──違う。世界は狭まっていた
 広大に感じる自然はここにはなく、あるのは鉄格子。陽の光を見ることさえ叶わない牢屋のような今の寝床だ。
 最初は呑気に寝心地が悪い場所だとしか思っていなかった。ここから早く抜け出したいとは、その頃からすでに思ってはいた。自分がどうしてここにいるのかも分かっておらず、混乱もしてもいたはずだ。
 とりあえず、声を上げ助けを求めると鉄格子の外から白衣を着た人たちが現れた。
 奴らはこちらが起きているのを確認すると、面白いものを見るかのような実験動物に対する目でロクシオンを見た。
 そこからが地獄の始まりだった。
 身を拘束された状態で出された牢屋の先には、怪しげな器具が置かれたベッドのある部屋。ロクシオンは実験室を見たことがなかったが、この部屋が何かの実験室であることを簡単に理解させてくれるほどあからさまな場所だった。
 拘束されたままベッドの上へと張り付かれると、白衣の一人が刃物を取り出した。
「う、うぁぁ、や、やめて!」
 安易に想像できるその刃物の使い道。白衣はロクシオンの反応に面白そうに笑みを浮かべると、ゆったりと刃物を近づけていく。近づくにつれロクシオンの反応は大きなものになり、その行為を拒むように全身を必死に動かす。だが、ベッドが揺れるだけで拘束が剥がれることも、刃物が近づくのも止められる訳ではなかった。それどころか、より一層白衣の表情に愉快な色が強まる。
「痛ッ──んん!」
 ロクシオンの身体に嫌な感覚と痛みが込みあがった。痛みから悲鳴を上げようとしたが、すぐに布が口に入れられ、叫ぶことすら許されない。
「うむ、マモノといえど痛みは変わらないと」
「なるほどなるほど。これはこれはまさに人間みたいだぞ」
「では、さらに痛みを──な! こんなのありえな」
 ロクシオンは白衣たちの言葉を聞く前に、痛みと恐怖で気絶した。
 今までの平穏な生活が崩れさり、苦痛に耐え忍ぶ毎日が始まったのだ。
 最初の数日は痛みと戦うのに必死だった。痛みの与えられ方は様々で、刃物で切るで始まり、殴る、焼く、剥がすと思い出しただけで痛みが蘇りそうな方法だった。
 痛みに耐えることが出来ず、いつも途中からは気絶し、起きれば身体には傷一つないのに、気絶前に行われた行為により痛みが身体を襲う。死んでないほうが不思議で、いっそ死んだほうが楽だとさえ思える。
 実験が始まれば悲鳴をあげていたのだが、三回目からは布が常時口元を塞ぐようになり、声を出すことも出来なくなった。身体も諦めたのか、痛みが襲っても拒否反応を起こさなくなった。
 気絶から覚めれば、身体に傷もなく痛みもない、普通と変わらない状態になっていた。ただ、感覚が麻痺しただけなのかもしれないが。
 痛みと戦う時間がなくなると、自然と考える時間が増えた。
 ここはどこで、どんな場所なのか。なんのために自分はこんな実験をされ、拘束されているのか。
 しかし、考えても分かることは何一つ無く、いつも思考はもう一度空を見たいと帰結した。
 最初は数えていた実験の数も分からなくなり、陽の光も見えないことから時間も分からない。食事は一日一食しか与えられないので、かろうじて次の日になったことを察することが出来ただけ。いや、もしかしたら一日一食という考え自体が間違っている可能性も高い。気絶して起きたら食べ、実験されるを何時から一日の基準と考えるようになった。
 狂った環境だ。
 それでもまだちゃんと思考し、狂ってはいなかった。
 希望だって捨ててない。誰かが助けてくれる、いつか逃げ出す機会があると信じて疑わない。光があることを信じている。
(諦めない)
 灰色の空からの脱却を夢見て、上を見上げると──青が広がっていた。
(え、なにがっ!?)
 さっきまでは確かに灰色だった。陽の光が一切侵入できない暗闇の部屋で、出入口は目の前の鉄格子しかなかったはずなのに。上にも出口が一つ。
 そう思った時、一つの影が入って来た。
「怪しい建物があるからって頼まれて来てみれば、全くその通りだったじゃないか」
 茶色いローブを着た男。顔はゴツゴツと岩のようで、なのに目はどこか優しそうだった。
「おい、坊主。大丈夫か……って、どうやら気付かれたか」
 男はそう言うと、軽い身のこなしで部屋の中へと上から侵入し、鉄格子の先を見つめる。男の視線につられて見れば、慌てて走ってくる白衣たち。
 白衣を引き釣りながら必死に走ってる姿はなんだか滑稽だ。
「おおお、おい貴様!」
 白衣の一人がローブの男に指をさしながら言う。
 声は震えているし、指も上下に震えている。
 今までこんなみっともない奴らに、好き放題されていたのかと思うと、自分が許せなくなりそうだ。
「なんだよ。悪いが、この坊主は俺が預かるぞ? ついでにこの怪しげな建物も壊させてもらうがな」
「だ、ダメダメだよ! それはダメだ! それに分かっているのかそいつは」
──魔者だぞ
 白衣が何言っているのか分からなかった。
 マモノ? そんな言葉を聞いたことはない。
 それにそいつって誰のことだ?
「ふーん、こいつが、魔者ねえ」
「な、な」
 男がロクシオンを上から下へ、下から上へとゆっくりと眺める。
 じっくりと見られているって感覚が気持ち悪く、なんだよっと声をあげようとしたが、言葉にならなかった。随分と喋らなかったので、発音を忘れてしまったのかもしれない。
 男は眺め終わると不敵に笑った。
 ちょっとかっこいいと思ってしまった。
「人間と変わらねーじゃん」
「違うぞ、そいつは! 見た目に騙されるな!」
「よくよく聞け、そいつはな。どんなに傷つけられても治るんだ」
「傷が治る? それは人間だって同じだろう」
「そうじゃない! 数瞬で、明らかな致命傷もをだ」
「ほー、そうなのか?」
 白衣たちが必死に叫ぶのに対して、男は全く声色を変えず普通に喋り、ロクシオンに何でもないことを聞くかのように気易く聞いた。
 白衣たちの会話の中で理解できるものが少なかったロクシオンは、その質問に応えることが出来ず、首を傾げることしか出来なかった。
「違うそうだが?」
 それを男は否定とったようだ。
「そいつが気付いていないだけだ。少し痛みを味合わせると、すぐに気絶したからな」
「ピーピー煩くて最初はたまらなかった」
「こんな子供に気絶するほどの痛みを、ねえ」
 意味有りげに男は上下にゆっくりと首を振る。
 優しそうだった目が鋭くなっていく。
「実験だ。魔者は恐ろしい。そいつらに我々人間が負けぬよう、勝つための、世界のための実験なのだ」
「そうだ! それに子供じゃない、ただの魔者。いわば敵。捕虜。ならばなんら問題は──」
 白衣の言葉をそこで途切れた。
「ないわけないだろうが」
 何が起きたかは分からない。
 ただ、ロクシオンが白衣の方へと目を向けると頭のない身体が二つ立っていただけだった。それもすぐにごつごつとした手によって目が塞がれてしまい、状況の確認が出来なくなる。
「子供が見るもんじゃないぞ」
「え、な、が」
 処理が全く追いつかず、口から出た言葉は今まで以上に不可解なもの。
 男は完全にそれを無視する形で話を進める。
「坊主、名前は?」
「え」
 あまりの展開に頭がついてこない。
 間抜けな声を出してしまった。
「名前だよ、名前」
「ろ、ろく」
「ん? ロク? ん、ああ喋れないのか。随分と長く捕まっちまってたわけだな」
 男はロクシオンがまともに喋れなくなっているのに気が付き、長い間捕まっていたことを察してくれたようだった。
 困ったように頭を掻きながら苦笑して、遅くなってすまなかったと申し訳なさそうに言ったのだ。
 ここに来てようやくロクシオンは、男が自分を助けてくれたことを理解した。
 それを理解すると、何故だが自然に涙が出てきた。
 もうあんな日々を送らなくていい。痛みに耐え、毎日外に出たいと焦がれ、必死に何もかも我慢する毎日がここで終わる。
「あ、ああ」
 開放、された。
 上を見上げ、青空を見ると、さらに涙がこみ上げてくる。
「お、おい! 泣くなよ! な、泣くなって」
 泣いているロクシオンに気付いて、先ほどまでの悠然とした姿はどこへ行ったのか慌てふためく。その様はまさにお父さんだった。
 その男の姿がなんだが不釣り合いで、それでも優しかった。すると、涙は止まって笑顔に慣ることが出来た。
 だから、必死にこの想いを、
「あ、あり、が」
「…………」
「ありが、とう」
 言葉にした。
 その魔法の言葉を聞くと男は満面の笑みを浮かべ、ロクシオンの頭に手を置くと乱暴に撫で、言った。
「大人として当然のことしたまでさ」




以上プロローグでした。
現時点でこのあとの第一話の1万字分は書けていますが、今はここまでの公開とします。
これだけでも、ちょっとでも面白そうと思っていただければ感謝感激です。
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#33[2012/06/21 13:05]     














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