小説挑戦


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【投稿版】不朽のモウカ

短篇集2(不朽のモウカ)

・本編とは関係ないと思ってください
・作者の妄想が入り交じってます
・本編の雰囲気を破壊する可能性があります
・ネタです
・ネタなのです
以上のことが含まれるので、それでも良いと思う方だけお読みください。
勝利条件:リーズを読者に可愛いと思わせること



1.議題『結婚』(リーズの場合)

「結婚……て、どう思う?」
「は!?」

 その言葉の破壊力に、モウカは口に含んでいた紅茶を吹き出しながら、椅子を転がり落ちる。
 オーバーリアクションとも取れるその突拍子もない反応に、リーズは優しく笑いながら倒れたモウカに大丈夫かと手を貸した。

「全く汚いわねえ」

 テーブル布巾でモウカの零したものを、リーズが笑顔で拭き取り、代わりの紅茶をもう座り直すもまだ呆然とするモウカの前においた。
 モウカは釈然としない様子で、紅茶を手に取りつつも、リーズへと視線を向ける。リーズは布巾をテーブルの隅に置くと、両肘を杖にして両手を頬について、モウカの対面に座った。
 焦げた金のような髪はいつもと違いポニーテールにし、顔はどこかだらけたように崩れている。

「なーにー、結婚にそんなに反応したの?」
「そりゃあ……まあ、なんというか……」
(男子たるものしない方が不健全というか……この場に、ウェルがいなくて本当に助かった)

 こんなテンパった姿を、ましてリーズに持ちかけられた『結婚』なんて話題に過剰反応したところを見られれば彼女のいい盃になってしまう。ウェルとモウカはモウカが死ぬまでの一生の付き合いだ。これをネタに一生の笑い草になってもおかしくない。
 今更、1つ2つ増えた所でとモウカも思うことではあるのだが、恋愛関連について弄られた試しがあまりないので、耐性がないのも確かだ。
 モウカは、リーズを特別意識していないというわけではなかった。
 彼女からの好意は目に見える形で現れている。それを甘んじて受けていれて消化してさえもいる。分かってはいるのだ。他人からすれば、モウカたちの関係がどのように写っているのかも。
 面と向かって言われたことないのは、単に他人に興味を示さないフレイムヘイズに気質のせいであるだけにすぎない。
 それでも、モウカが居城にしている東京総本部の外界宿に行けば、親しい者にはそれとなく、リーズとの関係を察され、人間にはどこか羨望と嫉妬を受けていたりする。

(リーズが俺の恋人、なんて人に言える自信ないし。今までのような曖昧な関係がいいんだよな)

 気恥ずかしさもあるが、それ以上に今の距離感が長く続きすぎたのが原因だとモウカは考えた。
 今が居心地良すぎるのだ。お互いに勝手知ったるもので、だいたいの事は相手がどういうふうに考えるかが読めてしまう。

(こういうのを友達以上恋人未満とか言うのか? それとも妹的存在?)

 少なくとも恋人と明言することは憚られるし、まして結婚なんてことはモウカには到底思考が及ばなかった。
 どうしてもオロオロしてしまうモウカを眺めてリーズは変わらずにやけていた。嬉しそうに、どこか幸せそうに。モウカに声をかけずに、ただじっと熱い視線を送りながら。

「というよりもだ! どうして急に、結婚だなんて」
「べっつにー、キアラに相談されただけ」
「あ、ああ、そういう」

 うんうんと何かを誤魔化すように首を激しくモウカは振った。
 そんなモウカの胸中は、やっぱりウェルがここにいなくて助かった、である。

「フレイムヘイズの結婚出来るかどうかを相談されたのか?」
「うん。私は気持ちの問題だって言ったんだけど」
「フレイムヘイズが結婚した、なんて話は聞かないからなあ」

 結婚していた者がフレイムヘイズになることは多分にある。
 ``紅世の徒``への復讐心から契約し人を外れるフレイムヘイズ。その復讐心の源の多くはなんといっても近しい人の不幸。伴侶を元は持っていたフレイムヘイズの割合は低くなく、愛してた人が居た割合は驚くほどに高かったりする。
 そんな元々は愛して人が居たが世界の不条理によって引き裂かれる。その想いは隣の世にも届くほどの大きな者たちだ。復讐者となった後に新たな相手を見つける行為そのものが、自身の存在意義を否定しかねないことにも繋がりもしていることから、こういった話題とは程遠くなってしまうのかもしれない。
 復讐者と呼ばれるフレイムヘイズは停滞者。自らの時の歩みを止めた者でもある。過去に縛られ、過去のために未来を生きるものばかりだ。

「それで結局は出来るか出来ないかで言うとどうなるの?」
「なりふり構わなかったら出来る、とは思うぞ」

 形式上の結婚であれば、挙式上げたり、籍を入れたりというのをモウカは思い出し、それのどれもが不可能というわけではないと結論付けた。
 例えば、存在の割り込み。都合のいいトーチに存在を割りこませれば、擬似的に戸籍は手に入る。それも所詮は借り物である。なので、なりふり構わずならとモウカは言う。
 リーズはモウカの答えに気に喰わない顔をする。

「でも、それって他人の名義を借りてるってことよね?」
「……納得のいくような結婚ではないかもしれないな」

 大切な人との大切な儀式に、他人の名義で満足が出来るはずもない。

「やっぱり気持ち次第よね」

 そう何かを憂うように、虚空へと放ったリーズの言葉の含みに、モウカは気づかないフリをした。



2.議題『擬人化再び』

「海に行こうっ!」

 何の前触れもなく、その時の気分で唐突なことを行いだすのは彼女の悪い癖だとモウカは思う。もうちょっと外見相応に落ち着きがあるならば。あと出来れば口も開かなければ見とれてしまうものを、と同時に残念がりもした。
 彼女、とはモウカの中で今は悪名高き海外からの刺客、ウェパルその人だ。

「行かない」

 いつも通りにモウカはウェルの言葉ににべもなく否定の言葉が出る。
 彼女が留学生としてやってきて、初めての夏がやってきた。
 率先してトラブルに首を突っ込もうとするウェルと、何故か騒動の中心になりやすいモウカのペアは恐ろしい相乗効果をもたらす。街中にその名を知らしめるには、僅か3ヶ月で事足りていた。
 遠くから見ても分かる長く美しい青い髪。大人のような凛々しい顔に子供のような無邪気な笑顔をいつも振りまく、彼女は嫌でも目立つ。人と言葉を交わすだけで魅了する声から人魚姫との愛称がクラスで付けられるほどだ。
 モウカにはその全てが悪魔にしか見えなかったが。
 明らかに日本人ではない風貌はまさしくトラブルを呼びこむ。無邪気な顔の裏にどんなことを考えてるか分かったものではない。甘ったるすぎず、媚びた感じをさせないにもかかわらず、綺麗と純粋に思わせる声は、甘美な悪魔の囁きにしか聞こえない。
 人はウェルとモウカの近しい関係を羨ましいとは言うけれど……

「えー、私の水着姿見たくないの?」

 羨ましい関係なのかもしれないけど、それはやはり平穏の上に成り立つものだとモウカは主張したかった。

「ウェルの見てくれは綺麗だし可愛いと思うけど、それが過ぎるのは厄災を生むんだよ」
「あ、嬉しい! 褒めてくれるんだ!」

 あはっ、と晴れた笑いをして、嬉しさを満点に表す。
 それとは反比例してモウカの顔は怒気を強めた。
 そんなモウカに気付かず──気付いているのかもしれないが、ウェルは白いサンダルを脱いで、玄関からモウカへと近づき腕をとった。
 モウカは自身の腕に確かな柔らかさを感じて怒気を緩めたが、一瞬だけであり、今度は顔を真っ赤にして明らかな形として感情を顕わにし、ウェルの腕を振りほどく。

「離せっ!」

 強引に振りほどいたせいか、ウェルは「きゃっ」と悲鳴に似た声を上げて態勢を崩すが、それには慌てたモウカが、手を掴み事なきを得る。

「あ、ありがとう」
「いや……さすがに今のは俺が悪かった」
「それじゃ、海に──」
「それは断る!」

 話は平行線を辿った。
 モウカとウェルはいつもウェルが駄々をこね、モウカがそれを必死に断る。
 クラスの男子からすればその光景は、美人の誘いを拒否する不届き者の姿に見えると言う。モウカはその見解には必死に否を唱えるのだ。彼女と関わったら碌な目に合わず、君等も知っての通り碌な目に合っていない、と。
 街中にまで名を広めてしまったこの二人はあまりにも有名に。クラスの男子もその碌な目には、手のひらを合わせて少々の同情はするのだが、所詮は他人事なのだ。どの程度大変で、どれほど面倒かは当人たちじゃなくては計り知れない。ましてやウェルはそんな状況においてこそ、輝かしい笑みを作るものだから苦に見えていない事が多い。当事者じゃない彼らにモウカの苦労は伝わらず、役得なんて理不尽極まりない嫉妬を集めることになる。
 何をしてもモウカは彼女と関わるだけで、どこかで誰かによるトラブルの元を製造しているようなものだ。

「ああ、もう分かった。行くから、行くから待ってろ」

 モウカの返事に、純粋無垢にわーいと両手を上げて喜び、ウェルは抱きつく。
 それでも最後に折れるのもいつもモウカだった。美しい女には弱い男の性かもしれない、と当人は男に生まれたことを激しく後悔しながら。
 ──そして、海では

(まあ眼福ではあったが……)

 人魚の名は伊達ではない泳ぎっぷりと、美しさであったとモウカは一つのフィルムを心に刻んだ。



3.議題『結婚』(ウェパルの場合)

「結婚──」
「ありえないから」

 終着。



本当はもう1つ議題を書く予定でしたが、いいのが思いつかなかったので、短編だから短くてもいいよね! という逃げ道を使います。
さて、久々の短編どうだったでしょうか。あざとさを全面に出し、勝利を狙いに行きました。最近はなんだかリーズが可愛くてしょうがないんですよね。親ばかですね。
短編のネタや議題があれば受け付けます。面白いもの書けそうと思ったら、ありがたく頂戴します!
夏の更新はこれが最後になるかもしれないですが、みなさんもどうか夏を満喫してください。
自分も、色々とてんこ盛りです(奈々さんの名古屋公演など)。

いつも感想やウェブ拍手、ブログ拍手などありがとうございます。
全ていつも楽しく読ませていただいております。むしろ、生きがいになりつつあります。
これからも、感想などありましたら、お気軽にコメントでもウェブ拍手でも、ブログ拍手にでも残してくれると嬉しいです。
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リーズ可愛い!

いちゃラブするモウカとリーズも一度見て見たいですね。ということで告白成功のIFを読んでみたいです。
この擬人化版のモウカの方が主人公してるよな〜。
#116[2013/07/31 23:01]  皐月病  URL 














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