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【投稿版】不朽のモウカ

短編(不朽のモウカ)

本編とは何ら関係のない(ry
趣味に走った短編です。
入れ替わり要素ありの変わった内容なので、そういったものが苦手な方は回れ右でお願いします。
TSFではないのでご安心を。




 別段リーズは感情表現が乏しい訳ではない。外界宿東京本部に所属しているフレイムヘイズや人間なんかは、リーズのことを無愛想だと思ってる人が大多数のようではあるみたいだけれど。
 まあ確かに、ウェルのように快活に笑ったり、目に見えて表情をコロコロと変えるようなタイプではない。笑う時もにんまりと微笑むような感じであったり、起こるときはジトッとした目つきで怒鳴らず静かに声に怒りを混ぜるタイプな気がする。
 イタリア生まれの彼女に大和撫子なんて言葉が当てはまるかは疑問であるが、お淑やか嫋やかという言葉が相応しい気がする。ようは落ち着いてるってことなのだろう。ウェルと比べれば断然に。
 しかし、言うなれば大人っぽいリーズが──リーズの身体が。

「モウカ!」
「おい、抱きつくな!」

 でへへーと彼女らしくない笑い方をし、人目も気にせず抱きつき、全身で親愛の表現を行なう、大きな違和感と。
 普段は彼女が口にしないモウカという呼び方にドギマギさせられ、異様に恥ずかしく感じてしまい、顔が真っ赤になってしまう。
 リーズは酔っているわけではない。それ以上に奇っ怪で面妖な……

「ちょっと私の身体で甘えたりしないで!」
「えーいいじゃん。今は私の身体なんだから。ねー? モウカ」

 内に宿る``紅世の王``とフレイムヘイズの入れ替わりなんて事件に巻き込まれてしまったのである。





 事の発端は欧州の外界宿から依頼だった。
 とある街では、定期的に性同一性障害の新しい患者が病院を訪れ、3日もすれば性同一性障害を克服するという事例が頻繁に発生していたという。
 性同一性障害は珍しいというほどの病ではないが、その頻度が少し異常であること。また克服がたったの3日で出来るものではないこと。さらにいうなら、その患者が、まるで自身の身体が自分の物ではないかのような発言が多々見られること。これらの事例がありふれた現象で収まるものではなくなったためか、マスコミの目に留まることになり放置するわけには行かなくなった。
 ``宝具``の暴走、もしくは``紅世の徒``による事象ではないか、との意見が生まれ、そうであるなら大きな歪みが出かねず、そうなるまえに対策へと欧州の外界宿は踏み切った。
 ``紅世の王``であればまだ容易いのだが、現地のフレイムヘイズはその存在を認知することは出来ず、歪みも発生していたことから``宝具``によるものと断定。そうなれば探すのが非常に困難となり、``宝具``の探索に優れている俺にスポットライトが当たった、という経緯を欧州の外界宿からの使者から聞いた。
 それを俺は、おかしな現象があるとはいえ、命に別条はない様子なので、久々にヨーロッパ旅行と洒落こむか! と意気揚々と承諾。
 挙句、奇っ怪な事象の被害者となってしまったと訳だった。
 もっとも、被害にあったのは俺ではなくウェルとリーズ。``紅世の王``とフレイムヘイズではあるのだが。
 身体がない者まで入れ替えるとは、さすがは``宝具``、なんでもありだなと思った。

「モウカぁモウカだぁモウカの身体だぁ」
「引っ付くな引っ付くな!色々当たってる!」

 あまりリーズとボディタッチをしたことがなかったと記憶している。
 恋人のように腕を組み、身体を密着させているせいで、彼女の胸が当たったり、当たらなかったりするせいで、柔らかな感触が腕に一際感触が残る。歩く度にポニーテールが揺れ、俺の首筋に当たりくすぐったくなる。
 ちょくちょくリーズの顔がこちらを見上げ、目を合わせる度に幸せいっぱいの笑顔を浮かべ、一層密着する。
 先程からそれの繰り返しで、一向に歩は進まず、周囲の視線を集めるばかり。
 一方では、

(ふふ、ふふふふふふあなた)
(な、なんだよ)
(いいえ、呼んだだけよ。あなた……あなた……あなた……ふふふふ)
(こええんだって!)

 外に聞こえない、俺の頭の中だけで響く声が、ひたすら俺のことを呼ぶ。ホラー状態。
 カラコロと表情を変えるリーズinウェルと俺にしか聞こえない声inリーズという内も外も混沌だった。ただし、周囲から見ればバカップルがいるようにしか見えないのが救いだった……救い、なのか?
 幸いなのは自在法を使うのには影響がなく、『宝具探し』を使用できるため、宝具の捜索は牛歩とはいえ、進んでいる点であろうか。依頼元の読み通り、確かにこの街の近辺からは宝具の存在を感知できている。
 一刻も早い事態の収拾を!
 過去500年で一番の気合を入れて自在法を練り続けた。


 さすがに一日での解決とはならず、ホテルでの宿泊となった。
 ウェルはいつもと違う身体で疲れたのか、俺に抱きついたまま眠りについてしまった。
 ツインの部屋をとったはずなのに、なんでシングルで2人で寝てるんだろうか。狭い熱い云々の前に、すやすやと眠るリーズの顔、常に感じる胸にもやもやした気分にさせられる。このリーズの中身がウェルであるから遠慮はいらないと暗示をかけても、意識をすればするほどもやもやは大きくなっていく。

(ねえ?)
(なんだいウェ……じゃなかった、リーズ)

 なんだか思いつめたような声色で、音にならない声で語りかけてきた。

(あなたはああいう私の方がいいの?)
(ああいうっていうのは?)
(ウェパルみたいな私のことよ)

 積極的な女性が好みか、という話なのか。それとも子供っぽいか。はたまた、快活なだろうか。
 好みなんて考えたことがなかったので、どういう女性がいいかなんて俺にはいまいちピンとは来なかった。それに……考えてみたら、俺500年童貞なんですけど。いや、フレイムヘイズだし、そういうあははんなことは二の次になるのはしかたない、うん。フレイムヘイズには童貞とか、そういう概念がそもそも存在しない。だって、童貞や処女を捨てたって元の体の状態に戻せるのだから!!!

(まあ魅力的じゃないって言ったら嘘になりそうな気がする)

 普段と違う行動や言動には少なからず、ドキッとさせられているのは間違いのないことだった。

(それじゃあ、このままでもあなたは……)
(いや、それは困るだろ。あんな破天荒が俺の盾じゃ信用ならないし)
(そう……それならいいわ。あなたも早く寝なさい。明日こそ元に戻らないといけなんだから)

 俺の答えが満足のいくものだったのかどうかは分からないが、どこか弾んだ声ではあった気がする。

(おやすみ、あなた。こうやってあなたの中を独占出来るってのも本当は魅力的だったのだけど、あなたにそう言われちゃったらしょうがないわよね)

 もう二度とは来ない異常で不可思議な夜が訪れた。





「モウカの中はやっぱり暖かいね!」
「うるさい住人が帰ってきてしまった。引っ越しを所望する」

 翌日、当たりを付けていた場所に行けば、原因と思われる``宝具``を発見。「我学の結晶」と胴体部に書かれていたのを確認し、すぐさま破壊を実行。妨害もなくすんなり破壊に成功し、事態は収束した。
 ようするに``教授``の何らかの実験後の暴走であったようだった。果たしてそれが何を目的にしていたのか。それは``教授``本人以外には分かるわけもないが、ただ一つ言えるのは、フレイムヘイズ相手だろうが問答無用に作用する恐ろしい効力。悪用すれば簡単大規模な歪みの発生源にもでき、フレイムヘイズにも大きな混乱をもたらすことが出来るであろう恐ろしい``宝具``であり。

「あなた、次はあそこ行ってみたいわ」
「お、おう分かったから、そんなに引っ付くな!」

 人にも様々な変化をもたらす、``宝具``であった。




本当に久しぶりの更新が短編ですみませんでした。
本編も現在書いているので、年内目標におまちいただけたら……
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~ Comment ~


おお、続き楽しみにしておりました! 待っている間、いろいろと次の展開などを妄想しながらいつも楽しみにしていますー

今回の短編、個人的にとても良かったです!
キャラクター達の可愛さにニヤニヤしつつも、ほっこりしながら読ませて頂きました

ネット小説では、一番のお気に入り作品なので、次回も楽しみに待たせていただきます!
#151[2016/09/26 02:24]  SP提督  URL  [Edit]

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#152[2017/01/11 03:33]     














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